丈一郎 Side
『 こんにちはー 』
え?なにしてんの?
会場は騒然。
これ、VTR?LIVEどっち?
『 やっほー、あ、多分絶対今みんなえ!?ってなったやろ 』
そうやんな、VTRや。
あなたは今、病室で寝てるはずやから
『 なにふぁむのみんな、驚かせてごめんな〜
西岡あなたでーす。
メンバーもごめんなぁ、時間取らせて 」
いいよー!って会場からの声。
『 まずは、この公演にお越し下さったなにふぁむの皆様、
本当にありがとうございます! 』
湧き上がる拍手。
ありがとー、って俺もマイクを通して喋る。
『 そして突然の活動休止、今回のツアーへの不参加発表
みんなを混乱させてしまって本当にごめんなさい。
ギリギリまで頑張ってたんですけど
あのー…無理だなこりゃ、ってなっちゃって、 』
『 これ、事前に撮ってるんやけど
どんな感じなんやろ、今の私。自分でも本当にわかんない 』
『 メンバーの皆さーん、元気にやってますー?
これ、どの場所で流すか知らないんだけど
みちきょへのユニット終わった? 』
「 終わったーーー!! 』
『 終わってなかったらあれだからあんま言わんけど
ほんま最高やで!笑 みちきょへほんと最高! 』
「 やった!褒められた!笑 」
恭平とみっちーが泣きそうに笑う。
『 もちろん他のメンバーのユニットも最高だけど
やっぱり私達のみちきょへは最高な音楽性をお持ちなので…笑 』
「 もう褒めんといて、泣きそうっす、笑 」
なんて恭平が言ったと思ったら画面の向こうのあなたが、
『 とか言ったら恭平、
泣きそうになってんやないのー? 』
って。
「 なにこれすごくない?笑 」
流星が笑って、会場もおーっ!て声でいっぱいになる
『 じゃあそろそろ次の曲、かな
みんな〜バイバイ〜 』
ふふって笑って、VTRは終わった
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。