駿佑 Side
『 ただいまー 』
「 あなたちゃんーーー!!!おかえりなさい!! 」
夜、あなたちゃんは家に帰ってきた
『 なんか暑くない?笑 クーラーつけてる? 』
何言ってんの?今部屋の温度23度やで?
涼しいどころか少しひやっとするぐらいですよ、
「 ご飯できてるでー 」
って丈くんがリビングから顔を出して
早くおいでって急かす。
「 最近はっすんの手料理多いよな? 」
「 張り切ってますよね笑 」
リビングにはあなたちゃんを待ってた皆が
座って待ってて、おかえりって笑顔で迎え入れる。
『 わ!美味しそう! 』
あなたの車椅子の高さに合わせて買い換えた
ダイニングテーブルに
机に手を置いて、体を引き寄せるあなたちゃん
「 もう食べていいっすか!?頂きます!! 」
長尾がそう言うと
7膳のお箸が一斉にお鍋を突く。
「 あなた、肉食べ肉 」
そう言って大吾くんは
あなたちゃんの器にお肉ばっかり入れる。
『 こんな肉ばっかり食べられへんって笑 』
「 あなたにはこれぐらいが丁度いいねん 」
「 そうっすよ、あなたちゃん
ツアーのために蓄えないと! 」
『 ねぇ恭平!そんなこと言ってるけど昔は
うっわそんなに食ってんすかまたデブになりますよ
って言ってたくせに!! 』
「 昔は昔、今は今っすよ 」
「 あなたちゃん、僕のお肉も全部食べて 」
って、流星くんが自分の肉をポンポン入れていく。
大吾くんと流星くんの間に座ってるもんだから、
器にはお肉が山盛りで
『 あーもう、食べられへんって 』
そんなこといいながら、
嬉しそうに1つずつお肉を口に運ぶ。
『 あ、冷蔵庫にポテサラ残ってたよね? 』
「 あー、あったで 」
『 よっしゃ、 』
車椅子のまま取りに行こうとするから、
「 僕取ってきます! 」
って謙杜が冷蔵庫に向かった。
「 久々に食欲あるんちゃうー? 」
大橋くんも嬉しそうで。
『 残念ながらはっすんには勝てないけどね笑 』
「 あなたちゃん〜取ってきました〜 」って
またパタパタ帰ってきて、ポテサラが盛られたお皿を渡す
あなたちゃんはは利き手が変わったにも関わらず
器用に左手で箸をもってポテサラを摘んだ
「 … 左手、上手になりましたね 」
『 人間ってその人の体の状態に
合うように進化するからね 』
そう笑ったあなたちゃん
最近、左手よく痙攣してるくせに。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!