第42話

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2018/08/05 08:07

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バスルームから出て来ると




ジョングクはさっき
私が座ってたソファに座って




同じように、夜景を眺めてるみたいだった。




だけど、テーブルの上には
ビールの缶が一本と




……手にはスミノフの瓶。




どんだけ飲むんだ……。




「……強いんだね」




そう思ったら、ついぽろっと言っちゃった。




「こんなの慣れでしょ?
でもまあ、分解酵素は多いんだろうね。笑」




そんなしれっと……。




「あなただって結構飲むじゃん。」




立ち上がって冷蔵庫まで行くと




中からスミノフを一本出して、
私に手渡してくれる。




「……ありがと」


「危なっかしいけどね。笑」


「……」




せっかくお礼言ったのに。




余計なお世話だよ。




………この間は、助かったけど。




私は立ったままキャップを開けると




冷えたスミノフを半分くらい流し込んだ。




「……おいし」


「酒飲み。笑」




傍で見てたジョングクが、そう言って笑う。




「だってお風呂上がりだし喉渇いてるし
これ冷えてるし、」




その笑顔にきゅんとして、
誤魔化すように言ったのに




「すっぴん?」




返って来た言葉はこれで。




「……そう、だけど」


「ふぅん……。笑」


「あ…っ、」




私の手からスミノフを奪うと




一口飲んで……




と思ったのに




突然合わせられた唇の隙間から




……それが流れ込んで来た。




だけど、突然過ぎたせいで受け止め切れなくて




口の端から伝ってしまった。




「……っ何してんの、」




そう言って拭おうとしたら




その手を止められた。




「……えろい」


「え…」


「たまんない……」


「っ」




……顎から口元に掛けてを舐められた。




「…ジョングクっ、」


「なに?」


「なに、じゃなくて、」




こんな事をした人は初めてで




どう対処したらいいのかわからない。




「もう一回?」


「…いらないっ」


「残念。笑」




いつの間にか腰に回ってた手が
私を抱き寄せると




私のスミノフを一気に飲み干したジョングク。




「じゃあ………シよっか」


「え……っん、」




いきなり深く重なった唇は




容赦なく私の舌を絡め取っていく。




シよ、って言っただけあって




あっという間にそういう雰囲気に
持って行かれる。





……流されたくない。






だけど……流される。







ジョングクに、溺れていく……。




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