第23話

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2018/07/30 11:40

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ボーッとし過ぎて




知らないうちに飲んじゃってたみたい。




インソンさん、営業なだけあって
お酒勧めるの上手いし。




「あなたちゃん、大丈夫....?」


「インソンさん....」




トイレから出ると




心配そうなインソンさんが立っていた。




「大丈夫です。
ちょっと飲み過ぎちゃったみたいで。笑」


「こっち、おいで?」


「え...」




別にフラついた訳でもないのに




何故かインソンさんに肩を抱かれて




通路の一番奥へ連れて行かれた。




「インソンさん、私大丈夫ですから、」


「あなたちゃん....」


「っ!」




離れようとしたら




顎をクイッと持ち上げられて




......唇を塞がれた。




なんで......?




「....インソン、さ....っや、」




咄嗟に胸を押したけど




逆に抱き締められた。




頭の中がぐるぐる回る。




インソンさんはアヨンの彼氏なのに。




インソンさんの彼女はアヨンなのに。




それより何より、こんな事したらアヨンが......。




「初めて....会った時から、」




......なに?




「......可愛いと思ってた、」




どういう事......?




「あなた......」




......やだ。なんで?アヨンは?




「ん.....っ、はな、っ」




酔ってるからか、全然力が入らない。




唇を舐められて




舌が絡まっていく。




嫌なのに、抵抗も出来ないなんて。




「......何やってんの?」


「っ!」




ジョングク......?




「おねーさん、嫌がってんじゃないの?」


「......邪魔するな」


「さっきの可愛いおねーさんに
言っちゃうけど、いいの?」


「お前、」


「おにーさん、悪い男だね?笑」




ジョングクは近付いて来ると




インソンさんの腕を掴んで捻り上げた。




「っ!」


「あなたから離れろ」


「....くそっ、」


「出入り禁止にしてもいいんだよ?
おにーさんよく来てるよね?ここ、」




ジョングクがそこまで言うと




インソンさんはパッと私を離した。




「あっちのおねーさんには黙っててやるから
もう行きな」




インソンさんは、袖口を直しながら
ジョングクを睨むと




そのまま行ってしまった。




「はぁ......っ、」




.....よかった。




全然よくないけど、よかった。




でも、アヨンにどんな顔すれば、




「こっち来い」


「え....っ、」






一難去ってまた一難。








どこ行くの....?





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