第15話

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2018/07/30 11:29

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......連れて来られたのはやっぱりホテル。




だけど、そこは綺麗なシティホテルで。




ロビーにはお客さんもいるし
騒ぐ訳にもいかないから




仕方なく付いて来たけど




いつの間にか繋がれてた手はそのままだし




エレベーターにもお客さんいたから
抗議も出来ず




......あっという間に部屋の前。




ジョングクは、黙ってカードキーをかざして
ドアを開ける。




どうしよう、急に緊張して来た。




ていうか今こそ二人きりなんだから




ひっぱたいて逃げるとか、
してもいいよね......?




「......ジョングク、くん、私帰る、」


「帰さない」


「っ、」




振り向いたジョングクに




......抱き締められた。




「......離して、っ」


「ヤダ」




ヤダ、ってそんな......。




こんなチャラいヤツにきゅんとしちゃうなんて。




「.....私は、他の女の子みたいに」


「他の女は関係ない。俺はあなたが欲しい」


「っ......そんな事言われても
私は落ちないし、」


「じゃあなんで付いて来たの?」


「それは.....っ、
こんなちゃんとしたホテルに連れて来るから、」


「ちゃんとしたホテルじゃなかったら
付いて来なかった?」


「そうじゃなくて、」




なんだってこんな会話......!




「......わかってるよ。笑」


「え、」


「あなた、ちゃんとしてそうだから
こういうとこだったら
おとなしく付いて来るかな、って。笑」




......お見通しって事?




なんか悔しい......!




「とにかく、私帰るから、っ」


「帰さない、って言ったでしょ?」


「そんなの知らない聞いてない!
離してってば!」




今更ながら




ようやく抵抗を始めた私。




......危ない。




丸め込まれるところだった......。




「あなた、酷くされたいの?」


「....っ」


「抵抗すればするほど
こっちも力ずくになるけど?笑」




そのセリフに抵抗を止めたけど




少しだけ身体を離したジョングクは




意地悪く笑ってて。




「初めてじゃないよね?」


「違うけど.....っ」


「じゃあなんも問題ないじゃん。笑」


「大アリでしょっ?」


「そんな事言わずにさ、俺を楽しませてよ?笑」









やっぱりコイツ、サイテーだ......。





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