~寮-自室~
特に言いたい言葉も
なかったから呟いた。
目元を腕で隠すと、世界は暗くなる。
1人の世界みたいだ。
「このまま、アジーム家を潰せば…」
そんな事を考えて、言ったが1つ気付く。
電話が鳴っている。だるい体を起こして
電話を取りに行く。
雪は最後に
「ちゃんと寝ててね」
と、言い残して電話を切った。
まぁ、授業に集中って2回も言えば
ちゃんと授業は受けるだろ…多分
それより、雪はどこのクラスだろうな
俺と同じが良いけどなぁ…面倒見れるし
そう言えば、さっきの電話
プツプツ切れてたよな…
何だっけ、確か盗聴器があると
切れるとか…あれ…
そうして俺は眠りについた。
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次に起きた時初めに耳に
入ってきたのは、お兄ちゃん!と
言いながら扉を開ける妹の声。
あくびをしながら体を上に伸ばす。
「あはははは…」と
苦笑いしながら、雪の頭に手を乗せる。
雪の頭を撫でながら
俺は近くの紙に書く。
「もしかしたらここ、盗聴器があるかも」
突然会話が止まると怪しまれそうなので
適当な会話をしながら。
そうすると、雪も
紙に何かを書き始めた。
「あの、従者の人かな?」
「多分、話しながら探すぞ」
そうして、雪と一緒に
”盗聴器”を探し始めた。
待って、俺のプライバシーは???
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。