第3話

始まった恋 鶴房汐恩
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2020/03/21 03:08
私はついさっき失恋した

白岩先輩に告白をして振られたんだ

頑張ってだした勇気が二年間恋した時間が

ごめんの一言で終わってしまった

誰もいない教室で一番後ろの窓側の席で

一人泣いていた

すると

ガラガラガラ…

鶴房汐恩
鶴房汐恩
おぉ!あなたやん!俺のこと待っててくれたん?帰ろー…ってなにお前泣いてるん?
あなた

し…おん

幼なじみの汐恩だ
体育委員の集まりが終わったんだろうか
鶴房汐恩
鶴房汐恩
なに、どうかしたん?
自分の一個前の席に座って

私の机に肘をついた
鶴房汐恩
鶴房汐恩
まさか…振られたん?
コクコクと首を縦にふる
鶴房汐恩
鶴房汐恩
…頑張ったよまじで
よく勇気だしたな!
そういって頭の上に手をおいて

ぶっきらぼうによしよしと頭を撫でる

あなた

ちょっと…髪崩れる

鶴房汐恩
鶴房汐恩
そんなんきにすんなって!
汐恩が幼なじみでよかったって

心底思った

口には絶対に出さないけど
鶴房汐恩
鶴房汐恩
俺だったら絶対に泣かせんけどな
あなた

…え?

いつもヘラヘラしている表情がいつもより違う

真剣な男の顔だ
鶴房汐恩
鶴房汐恩
泣かせないし笑わせる
あなたをそんな気持ちにさせへん
あなたの恋を応援してたけどもう無理
あなた

え、まってそれって…

鶴房汐恩
鶴房汐恩
気づかんかったん?
俺、好きなんやけど
あなた

え、ま、は!?

すると汐恩は立ち上がった

それで背中を向ける
鶴房汐恩
鶴房汐恩
ということ
少しは俺のこと意識しといて
胸が高鳴った
いつもとは違う彼の姿に
鶴房汐恩
鶴房汐恩
帰るぞ~
あなた

うん!

胸がずっと高鳴っていた

これが恋なのかどうなのか私はまだ知らない

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