結局、少し泣いてしまったから
クロくんに寄り道させてもらって遅刻しないくらいの
遅めに登校した。
あの子は休み時間も研磨にぴったりくっついていて、
色んなタイミングで研磨の教室に行ってもダメだった。
別に研磨が悪いわけじゃない。
けれど、私はこんなに嫌な思いをしている。
辛い。
下校する時だって一緒に帰れそうにないから、
先に帰ろうとしたら、、、。
るいのって言う子とどーせ帰るのならいっかと
思ってOKした。
今考えると馬鹿だなぁなんて思うけどこの時の感情は
グチャグチャ過ぎて判断なんてものが出来るわけなかった。
まぁ、馬鹿なんだけど!
だから、研磨に見つかるんですよね
聞いたことないってくらいの冷たく低い声。
そんなモブおくんの声も聞こえないくらい
自分は怒ってた。
何?
たまたま断れただけじゃん。
自分を振り回しといて、
だから、
こうして、初の喧嘩が起こったのである。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!