ふかふかと暖かい、目を開けると
窓から射し込んだ光が目に入って
思わず目を細めた
布団の中、体だけ起き上がって、
ふと顔に手を当てる
手に乾燥した、固まりみたいなものが
手に当たって、丁度それが鼻部分と
気づいた瞬間、鼻栓だ、と察した
「はいゴミ箱」と差し出されては
おずおずとティッシュをゴミ箱に入れる
ガタンっ、と目を見開いては
布団の淵に座る松野先生を見つめた
拗ねたように目を伏せ、他所を向く
これは、いつものからかいなんだろうか
私のいる布団に膝をかけて
壁ドンのような形を作って
見つめてくる松野先生、
……近い
すり、と髪を撫でる仕草が
未婚と言われてる松野先生にしては
かなり慣れていて、少し、変な気持ちになる
突如、ガララッ、と音がした
慌てて離れる松野先生が
立ち上がって
と呟いた気がした
……ねぇ松野先生
これは、からかいなんですか。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。