第6話

からかわないで下さい
899
2023/01/12 04:28
一松先生
一松先生
いいの?残ってて
あなた
このまま倒れても
皆に迷惑かけますからね
きゅ、と布団を握ると、
布団の近くに寄った松野先生が
しゃがんで、毛布に突っ伏した
一松先生
一松先生
アンタ、ほんとに根詰めるよね
あなた
少なくとも
色んな女生徒にセクハラ発言する
お気楽な松野先生とは違います
一松先生
一松先生
あなただけ。って言ったら?
あなた
……え
悪戯に笑う松野先生を見て
「からかいはよくありません」と
布団に潜って顔を隠した。

顔が熱いだなんて、きっと今の私は
真っ赤なことだろう。
一松先生
一松先生
くひ、あなたは面白いねやっぱり
あなた
…そうやって他の子を口説くのも
大概にした方がいいです。
クビになっちゃいますよ
松野先生が口を開いた途端
高らかにチャイムが鳴り響いて
私達の会話を横切った
一松先生
一松先生
……あ
あなた
もう平気そうなので行きますね
そっと立ち上がってみる
どうやら大丈夫そうだ
一松先生
一松先生
じゃ、頑張ってね
具合悪くなったらまた来てもいいから
あなた
ありがとうございます
一松先生
一松先生
あと
する、と松野先生の履くサンダルが
擦れて音が鳴る、服の擦れる音が近くで
聞こえた途端、耳元で
一松先生
一松先生
放課後、忘れないでね
と囁かれた
あなた
……ッ!?
カッ、と顔が強く熱を持つ
耳を即座に包むように触れば未だ
ぞわぞわとする感覚が襲ってくる
あなた
わ、忘れるほどバカじゃないです!!!
失礼しました!!!!!
逃げるように戸を閉めては
早足で教室に向かう

なんなんだ、もう。

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