第3話

山の王
307
2021/01/17 04:31
皇女(なまえ)
皇女あなた
どこへ流れ着いたんだろう。
白い砂浜。
蒼い海。
緑の森。
皇女(なまえ)
皇女あなた
(私の国もお父様達が壊さなければこんな綺麗な土地だったかもしれないのに。)
皇女(なまえ)
皇女あなた
この服じゃ動きずらい……
確か、この辺にいつもの変装道具が入ってるって言ってた……
小さな箱を開ける。
皇女(なまえ)
皇女あなた
髪も、切っちゃおうかな……。
生き残りってバレたら助ける前に殺されちゃう。
よし……切れた。
崖がある?
一応、身体能力はある方だと思ってるけど……
登ってみよう……
ガシッ
……結構登れたんじゃない?

下は、見えないけど。

結構この崖高かった。

城の塀より高い。

どうしよう……
ズルッ
月影(なまえ)
月影あなた
わっ
ドンッ
月影(なまえ)
月影あなた
ガハッ
あぁ……
起きなきゃ……起きなきゃなのに、ね……むい……。
































しばらくして
???
???
……い!……おい!……おい!お前!
月影(なまえ)
月影あなた
……はい!
え!?
月影(なまえ)
月影あなた
ふぇぇぇ
月影(なまえ)
月影あなた
誰!?変人……いや……変質者
あっ、声に出ちゃった……
嘴平伊之助
嘴平伊之助
俺様の名を教えてやる!
気づいてなさそう……
嘴平伊之助
嘴平伊之助
俺様は、山の王!
嘴平伊之助様だ!!
自分で「様」つけるとか笑うんだけど
嘴平伊之助
嘴平伊之助
お前の名はなんだ!
月影(なまえ)
月影あなた
(初対面の人になんて態度)
……私の名前は、月影あなた。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
そうか、ここの山は俺の山だ!!
さっさと自分の土地に帰れ!!!
月影(なまえ)
月影あなた
……私の土地??……………………
嘴平伊之助
嘴平伊之助
おい、なんだ
月影(なまえ)
月影あなた
………………私の家ってどこだっけ……
嘴平伊之助
嘴平伊之助
はぁ!?
本当にわからない……

ここにどうやってきたのか、

どうしてここにいるのか、

私はどこに住んでたのか、

どこで生まれたのか、

何があったのか、

何もかもがわからない。





頭がズキズキする………





ふっとまた、意識が遠のいた。


嘴平伊之助
嘴平伊之助
おい!……お前!……おい!!
私の名前……
教えたじゃん……









ーおよそ2時間後ー
月影(なまえ)
月影あなた
…………パチッ
嘴平伊之助
嘴平伊之助
あ、起きた。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
お前、寝るの好きだな
月影(なまえ)
月影あなた
…別に好きなわけじゃないんだけど……
月影(なまえ)
月影あなた
ここはどこ?
ぐるりと周りを見回すと、ゴツゴツとした岩を緑の葉で覆った部屋のようになっている……
嘴平伊之助
嘴平伊之助
ここは、俺が育ったとこだ。
猪に育ててもらったからな!
月影(なまえ)
月影あなた
へぇ。
それにしても綺麗……
もっと、木の洞とかに住んでんのかと思った。
嘴平伊之助
嘴平伊之助
……お前、ここに住むか??
月影(なまえ)
月影あなた
……え?
突然言われて戸惑った……
嘴平伊之助
嘴平伊之助
だって、帰るとこわかんねぇんだろ?
だったら、ここにいるしかねぇじゃねぇか。
意外に優しい??
さっさと追い出されるのかと思ってた。
月影(なまえ)
月影あなた
…………いいの?
嘴平伊之助
嘴平伊之助
仕方ねぇだろ。
あ、あと俺、ちょっといなくなるからな。
月影(なまえ)
月影あなた
え?
嘴平伊之助
嘴平伊之助
選別?つったかな?
に出ることになってっから。
7日間ぐらいいなくなるからな。
それまで、この山のヤツらよろしくな。
月影(なまえ)
月影あなた
山のヤツらって、動物??
ここに来てから、伊之助しか見てないから他の人はいないのかな??
嘴平伊之助
嘴平伊之助
あぁ。
それしかいねぇだろ。
月影(なまえ)
月影あなた
分かった。







ー5日後ー
嘴平伊之助
嘴平伊之助
じゃあな。
月影(なまえ)
月影あなた
行ってらっしゃい!!
嘴平伊之助
嘴平伊之助
おう!
そう言って伊之助は、山を下っていった。

ここから、壮絶な戦いになるとも知らずに私は笑顔で見送った。

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