白い砂浜。
蒼い海。
緑の森。
確か、この辺にいつもの変装道具が入ってるって言ってた……
小さな箱を開ける。
よし……切れた。
崖がある?
一応、身体能力はある方だと思ってるけど……
登ってみよう……
ガシッ
……結構登れたんじゃない?
下は、見えないけど。
結構この崖高かった。
城の塀より高い。
どうしよう……
ズルッ
ドンッ
あぁ……
起きなきゃ……起きなきゃなのに、ね……むい……。
しばらくして
え!?
あっ、声に出ちゃった……
気づいてなさそう……
自分で「様」つけるとか笑うんだけど
本当にわからない……
ここにどうやってきたのか、
どうしてここにいるのか、
私はどこに住んでたのか、
どこで生まれたのか、
何があったのか、
何もかもがわからない。
頭がズキズキする………
ふっとまた、意識が遠のいた。
私の名前……
教えたじゃん……
ーおよそ2時間後ー
ぐるりと周りを見回すと、ゴツゴツとした岩を緑の葉で覆った部屋のようになっている……
それにしても綺麗……
もっと、木の洞とかに住んでんのかと思った。
突然言われて戸惑った……
意外に優しい??
さっさと追い出されるのかと思ってた。
ここに来てから、伊之助しか見てないから他の人はいないのかな??
ー5日後ー
そう言って伊之助は、山を下っていった。
ここから、壮絶な戦いになるとも知らずに私は笑顔で見送った。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。