ユウくんを抱きしめながら購買部へ向かう途中
周りの生徒からは変な目で見られた
そりゃそうだろうな
子供はこの学園にはいないはずだからね
購買部へ着くと、ユウくんは店の中を見た途端目をキラキラと輝かせた
ユウくん、食べ物のコーナーはこっちだよ
これ食べたい…
え?飴?
飴だと!?
ダメに決まっているだろう!
まだ幼児なのに飴なんて食べたら喉に詰まって死んじゃうかも!
ユウくん、飴は危ないから他のにしよう?
…わかった
悔しかったのかユウくんはそのまま私の肩に頭を乗せた
クッキーとかは?それならいいよ
危なくないし
!美味しそう!僕、クッキー食べたい!
うん、ちょっと待っててね
サムさーん
店の奥にいたサムさんに声をかけると笑顔で手を振ってくれた
やぁ!小鬼ちゃん!何をお求めかな?
クッキーください。なるべく小さいやつで
INSTOCKNOW!ちょっと待っててね
良かったね。ユウくん、クッキーあるってさ
!
子供ってこんなに可愛いかったんだね
このクッキーがオススメだよ。
ありがとうございます
お金を払ったあとユウくんを抱きあげればサムさんは目を大きく見開いて
おや?その子供は…監督生くんかい?
そうなんです。実験で失敗したみたいで…
……
……実験で失敗…ね。君も大変だったんだね
サムさん様子がおかしい?
ユウくんもちょっとおかしいっていうか…
まあ気のせいよね
サムさんそれでは私達はこれで帰りますので
またいつでも来ていいからね!
軽くお辞儀をしてから購買を出たあとユウくんとクッキーを抱えてオンボロ寮へと向かった
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編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!