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第1話

ベルトルト【1】
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2021/04/01 01:01
「ぁの...あの。あなた??」

「ん!?!?はい!?!?」

私は誰かに話しかけられびっくりした。

「ぁ...急にごめん。あなたはどうして兵士に??」

あ、この人は確か...ベルトルト・フーバー。

めっちゃ強いひとだった気が....??

意外と話す時は気弱な感じだった。

「私は...外の世界を見てみたい。この母と叶えられなかった夢

を果たすために。母は巨人に喰われた。喰われる時に誓った。

絶対外の世界を見に行くって。」

「そうなんだ...。」

彼はその言葉だけを残しそれから何を言うのでもなく隣に座っ

ていた














「べ、ベルトルトは??どうして兵士に??」

「ぼ、僕は憲兵団狙いで...」

「そっか...頑張ってね!!!」

と彼の背中を叩く。

「あなた、痛いよ///」

なぜか彼が顔を赤らめているように見えた。

それからというものの彼は私に話しかけるでもなく

ライナーとこっちを見ながら何かを話している。

気にはなるけど気にしてない素振りをとっていた。

いつだったっけ。ライナーに話しかけられたのは。

「お、あなた...お前は、その...なんだ。気になる人ってゆ

ーやつはいるのか?///」

恥ずかしがりながら聞いてきた。びっくりした。

こんなことを言う人なんだ...と思った。

「ん...どうだろう。気になる人か...」

カンカンカンカン...と夕食の終わりの金が鳴る。

「ぁ...ごめん。また後で。」

とその場を凌いだ。















入浴など寝る支度を整え、部屋に戻る途中。

私と同じように寝る支度を終えたように見えた

ベルトルトがこっちに歩いてくる。

「ぁ...あなた...ちょっといいかな。」

と手を握られる。外に手を引っ張られる。

とある所までつれていかれると

「あなた...僕...僕は君と初めて話した時から君が好きだっ

た!!!」

正直嬉しかった。驚きもあったが、それ以上に嬉しかった。

「わたしも。」とだけ返事すると

「ほ、ほんとなの??」

と彼はなきそうになりながらも赤面していた。

彼が不意に私に抱きついてきた。

彼の大きな背丈から感じる安心からだろうか、涙が溢れた。















ウォールローゼが破られ、人類は敗北寸前だった。

街の人々を守るために私たちは巨人と戦った。

私はガス切れでたくさんの巨人を前に立ち塞がった。

そこにベルトルトが助けに来てくれた。

でも助かるわけが無かった。彼のガスは無くなる直前だった。

死ぬ間際に私達は約束した。
















「あなた、僕達、来世ではこの壁の中から出れているのかな。

またあなたと出会えるかな。」

「どう..だろう。」

「来世でも僕達、また会おう。絶対」

「ぅん!!!絶対。」

私達はなんでこんなに狭い壁の中でしか生きられないんだ。

悔しくて。辛かった。でも彼の大きな体で抱きしめられ、

彼と死ねるのなら本望だ。とも思った。

母との夢を叶えられずに私はここで死んだ。彼と共に。














この後人類が巨人を駆逐し壁の外で暮らし始めたのは100年

後...ぐらいだったろうか。

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