〈隼side〉
今日の夜ご飯に行く前に
マスターと久しぶりに話そうかな
って思って行ったコーヒー屋さん
一人の帰り道で小さくそんなことを呟いて
まさかあなたちゃんが居るなんて思わなくて
まぁ……話せたから良かったけど…
思わず、俺あなたちゃんが好きだよ。
って、変なこと口走ろうとして
あの時、マスターが来なかったらどうなってたかな
自分にため息をつきながら
準備が出来て
携帯を開いたら丁度ナオちゃんから連絡が来る
って返して
サングラスで少し変装して家を出る
集合の場所に着いたら
ナオちゃんもその時に来て
ナオちゃんに付いていって
着いたのはとあるレストラン
お店の中に入ったら個室に案内されて
向かいで座る
っていうのは嘘なんだけど…
ナオちゃん、少し苦手なタイプだから
お酒を飲むのはやめておく
私はお酒飲もー
なんて言って
店員さんを呼んで
烏龍茶とカクテルを頼んだナオちゃん
呼び捨てだったことを忘れてて
少し戸惑ったけど
ナオちゃんの顔を見たら
なんか企んでるような顔をしてて怖くて
なんて言ってしまって
そしたらナオちゃんが小声で
そうなんだ……。
って呟く
その時飲み物が来て
ナオちゃんが一口飲んでから
俺の方を向く
急に真顔になってそう俺に聞いてくるナオちゃん
なにこの空気…
ニヤッて悪い笑みを浮かべるナオちゃん
その時思った
この子やっぱり何かある。
さっきとは打って変わって
すごく笑顔で
いつの間にか空のグラスになってるカクテル
集合が遅かったからか
すでに23:00になってて
そう言って少しふらついてるナオちゃんの腕を
肩に回して
お金は俺が払って
タクシーを止めてナオちゃんを乗せる
窓を開けてもらって
そんな会話の後閉まる窓
タクシーが出て
ナオちゃんのあの言葉は
酔って出た言葉なのか分からないけど
明日の朝起きたら忘れててほしいな。
なんて思いながら
出ていったタクシーの方を眺めて俺も家に向かった
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。