第15話

フリ
1,052
2019/01/16 14:27


〈隼side〉

今日の夜ご飯に行く前に

マスターと久しぶりに話そうかな
って思って行ったコーヒー屋さん
隼
びっくりしたな、、

一人の帰り道で小さくそんなことを呟いて
隼
………

まさかあなたちゃんが居るなんて思わなくて


まぁ……話せたから良かったけど…



思わず、俺あなたちゃんが好きだよ。

って、変なこと口走ろうとして



あの時、マスターが来なかったらどうなってたかな
隼
俺やべぇじゃん……


自分にため息をつきながら

準備が出来て


携帯を開いたら丁度ナオちゃんから連絡が来る
ナオ
家出るね!
隼
分かった、俺も出るね

って返して


サングラスで少し変装して家を出る



集合の場所に着いたら
ナオちゃんもその時に来て
ナオ
やっほ!
隼
お、ナオちゃん
ナオ
行こ!
行きたいお店があるんだ!
隼
うん、良いよ


ナオちゃんに付いていって

着いたのはとあるレストラン
ナオ
今日ね、ここ予約したから!
隼
全部任せてごめんね?
ナオ
良いの良いの!
行こ!

お店の中に入ったら個室に案内されて

向かいで座る
ナオ
何飲む?
隼
烏龍茶で良いよ、!
ナオ
ほんと?お酒じゃなくていいの?
隼
うん!
この後も色々しなきゃいけないことがあってさ

っていうのは嘘なんだけど…


ナオちゃん、少し苦手なタイプだから

お酒を飲むのはやめておく

私はお酒飲もー
なんて言って


店員さんを呼んで
烏龍茶とカクテルを頼んだナオちゃん
ナオ
頼んだけど、ほんとに烏龍茶で良かったの?
隼
うん!
ナオ
…隼、あのさ
隼
え、うん?

呼び捨てだったことを忘れてて
少し戸惑ったけど
ナオ
隼も……まぁ亜嵐さんも。

あのカフェの女の子のこと好きなの?
隼
え?
ナオ
亜嵐さんも仲いいみたいだし。

この前、隼がその様子見てて元気なくしたみたいだったから…
隼
………
ナオ
…好きなの?


ナオちゃんの顔を見たら

なんか企んでるような顔をしてて怖くて

隼
……好き…じゃないよ

なんて言ってしまって


そしたらナオちゃんが小声で

そうなんだ……。
って呟く



その時飲み物が来て


ナオちゃんが一口飲んでから
俺の方を向く
ナオ
……あのさ、隼
隼
ん、?
ナオ
今、デート企画を撮影してるじゃん?
隼
うん
ナオ
やっぱり、気持ちがうまく入らない時とかもあるしさ。

この一年、私達カップルのフリしない?
隼
え…?
ナオ
フリ。だから!
隼もよく笑顔とか注意されるじゃん、!

この方法したら丁度良いかな…っていうか!
隼
いや…でも
ナオ
…好きじゃないんでしょ?
急に真顔になってそう俺に聞いてくるナオちゃん



なにこの空気…
ナオ
あの子のこと、

好きじゃないなら出来るよね?
隼
……
ナオ
ていうか、
好きだったら結構問題じゃない?

すーぐ広まっちゃうよね
隼
…何が言いたいの?
ナオ
…あの子に被害を及ぼしたくないなら
素直にカップルのフリしてたほうがいいよ。
ってこと

ニヤッて悪い笑みを浮かべるナオちゃん


その時思った

この子やっぱり何かある。
隼
……いいよ、分かった。

ただ、あなたちゃんに被害は及ぼさないでね
ナオ
……そのあなたちゃんって子、
そんな大事なんだ

まぁ、してくれるなら、良かった!


さっきとは打って変わって
すごく笑顔で


いつの間にか空のグラスになってるカクテル
隼
もう、帰ろっか
ナオ
え?まだご飯食べてないよ
隼
もう、ナオちゃん酔ってるじゃん?

しかも、結構な時間だし

集合が遅かったからか

すでに23:00になってて
隼
こんな時間に食べたら
ナオちゃんもやばいでしょ?
ナオ
まぁ……
隼
うん、帰ろ


そう言って少しふらついてるナオちゃんの腕を
肩に回して

お金は俺が払って


タクシーを止めてナオちゃんを乗せる

窓を開けてもらって
隼
ナオちゃん、自分の住所分かる?
ナオ
うん、大丈夫。
今日はありがとう

そんな会話の後閉まる窓


タクシーが出て
隼
…はぁ…

ナオちゃんのあの言葉は
酔って出た言葉なのか分からないけど


明日の朝起きたら忘れててほしいな。


なんて思いながら
出ていったタクシーの方を眺めて俺も家に向かった

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