第21話

まさか
1,054
2019/08/21 06:19



〈隼side〉
隼
………え…これ…


"隼くん、会える日ありませんか"



あなたちゃんから入ってた一件のLINE。


それを見た俺は、今固まってる。
玲於
玲於
…あれ、隼。どうしたの


ちょうどトイレから戻ってきた玲於が

楽屋で固まってる俺を見てこっちに来る


玲於が携帯の画面を見て
玲於
玲於
え、これ。あなた?
隼
…そう…なんだ…よね
玲於
玲於
良かったじゃん。
送りなよ。隼暇じゃん
隼
……え、あぁ、うん、、


最後の一言が余計だった気がするけど
そんなのにツッコめないくらい
俺の思考回路はおかしくて
隼
…ちょ、っとまって。
これってさ、
普通に暇な日とか送っていいんだよね、?
玲於
玲於
は、?笑
逆にどの日送るんだよ、笑


お前やべえって、笑

って携帯見ながらツボってる玲於



携帯に、震える手で


"再来週の金曜日は、空いてる?"

って文字を打つ
隼
……やっべえ………

送信ボタンが押せない、、、

緊張で手が震えて
送信ボタンすら押せない自分に

バカじゃねぇの。って思ってたら



後ろから伸びてきた白い腕が
ポンッって送信ボタンを押して


トーク画面に俺の返信が映し出される
隼
…うわぁぁぁああ!!
玲於
玲於
っ、ああもう叫ぶなって。
耳痛ぇ…笑
隼
ちょっと、!何やって、!!
玲於
玲於
送信ボタン押せずにずっと独り言言ってんの
まじ傍から見たらやべえやつだから、笑


ここは、

ありがとう。と言うべきか…

なんで勝手に?!と言うべきか…



いやまあでも玲於が押してくれなかったら
一生押せてなかった気がする…。
隼
ありがとう……?
玲於
玲於
ん。最後に"?"が付いたのは
意味分かんねえけど、笑
隼
……俺今だいぶおかしいよな
玲於
玲於
今更かよ
隼
…ふっ笑
なんかやべえ俺笑
玲於
玲於
やべえよ。笑

もう手遅れだ。
みたいな微笑みを俺に振りかけて

また携帯を触りだす玲於


俺も携帯に目線を移すと










"空いてる!"


って。

とっくに付いてた既読と

2分前に送られてきてた返信。
隼
うわあわあわあわあわあ。


はい、終わった俺、、


めちゃくちゃ既読早いくせに
返信全然来ないやつだ、、、



とりあえず

未だに震えてる手で


"じゃあまた詳しいことは連絡する!"

って送って

ご丁寧にLINEを閉じて携帯も閉じる
玲於
玲於
見てるだけで忙しいやつ
久しぶり見た。笑
隼
うるさいな、、
俺でもやべえって思ってる
玲於
玲於
あ、自覚ありか。
なるほど。笑


あーあ、あーあ。
この顔絶対バカにしてるんだ。

玲於のやつ鼻でフッって笑ってやがる…
隼
もういいもん!
隼くん怒った!
玲於
玲於
怒ったことは謝るけど、

"もん"と自分に"くん付け"は結構キツイから
やめとけよ。笑

最後まで馬鹿にしたような顔で


飲み物買ってくる
ってドアに向かう玲於の横顔は

男の俺でも思うかっこよさで。


もうほんとに、
亜嵐くんといい玲於といい。

なんでこんなイケメンばっか、、。
玲於
玲於
あ、
隼
……ん?
玲於
玲於
見てるだけで忙しいやつ。
もう一人居たんだよ
隼
うん…………誰?


俺がそう聞くと、

玲於が眉毛を上げてこっちを向いて



玲於
玲於
あなただ、笑
隼
…っ、え、あなたちゃんが、?
玲於
玲於
うん、
なんつーか、忙しいっていうか…
目が離せない…っつーか?笑

赤ちゃんみたいな感じだよな、
あなたって、笑

ふふっ笑

って笑って楽屋を出ていった玲於
隼
……玲於、、もしかして…



嘘だろ…


俺の周りライバル多すぎじゃない…??

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