最近よく来るこのコーヒー屋
あ、、、あの子、、、。
っていうのは嘘なんだけど…。
俺が気になってるのは
窓際でいつも本を読みながらコーヒーを飲んでる
その女の子。
毎日来てるのかもって思うぐらい
行く度に居て、
すごく落ち着いた雰囲気が
彼女を包み込んでいる
多分俺は、そんな君を初めて見た時
”一目惚れ”したんだ
そんな返事をしながらお店を出ていく
ちょっと名残惜しいな…
また明日も居るのかな…
なんて思ったりして。
あの女の子が気になって…
とか言えないし、、言いたくない
フーフーってしながら隣でコーヒー飲んでる亜嵐くんは
バレないように変装しててもイケメンで。
きっとあの女の子も
亜嵐くんみたいな男の人が好きなんだろうな
とか思って
嫌味たっぷりでそう言うと
なんなの、ってケラケラ笑ってる
その笑顔もかっこよくて、
一つため息をついた
〈あなたside〉
あ、またあの人来てる、、
カランカラン
って心地いい音が聞こえてきた扉の向こうには
よく見かける金髪の人がいて
目が合いそうになったから
急いで下を向いて本を読む。
私と目が合うわけないのに
こうやって、ドキドキしちゃうのは
私は多分貴方に
”一目惚れ”をしてしまったから
私は一人でいるのが好きで、
友達が居ないって訳ではないけど
休みの日はほとんどここに来て一人の時間。
優しいマスターと店内に流れる柔らかな音楽
そして広がるコーヒーの香り
私はここが、大好きな場所
あの人が来る日は特に……。なんて…
隣に居るお友達と話してる雰囲気を見ると
私みたいな暗い女の子じゃなくて
元気な子が好きなんだろうな~
って感じがする
名前も知らない、話したこともない…
なのに恋なんて馬鹿馬鹿しい。
って思う人も居るかもしれないけれど
この恋、まだ続けてもいいですか?
って心の中で聞こえないはずの貴方に言った
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。