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第1話

”一目惚れ”
1,884
2018/12/10 13:15
最近よく来るこのコーヒー屋




あ、、、あの子、、、。
亜嵐
亜嵐
…隼??どうした?
隼
え?あっ、んーん。
なんでもないです


っていうのは嘘なんだけど…。


俺が気になってるのは

窓際でいつも本を読みながらコーヒーを飲んでる
その女の子。




毎日来てるのかもって思うぐらい
行く度に居て、
すごく落ち着いた雰囲気が
彼女を包み込んでいる




多分俺は、そんな君を初めて見た時

”一目惚れ”したんだ
亜嵐
亜嵐
隼、行こ
隼
ん、あぁ、分かりました

そんな返事をしながらお店を出ていく


ちょっと名残惜しいな…

また明日も居るのかな…

なんて思ったりして。
亜嵐
亜嵐
隼ほんと大丈夫?
隼
え?大丈夫ですよ
亜嵐
亜嵐
ほんとかよ~
お前いつもあの店行ったら、なんかおかしくなんじゃん
隼
そ?
気のせいじゃないすか?

あの女の子が気になって…

とか言えないし、、言いたくない
亜嵐
亜嵐
ふーん、、まぁアメコも良いけど
こっちの店も好きだからさ
隼がおかしくなければ行きたいんだけど、笑
隼
俺は大丈夫ですから笑
ここのコーヒー好きですし
亜嵐
亜嵐
…なら大丈夫か


フーフーってしながら隣でコーヒー飲んでる亜嵐くんは

バレないように変装しててもイケメンで。


きっとあの女の子も
亜嵐くんみたいな男の人が好きなんだろうな
とか思って
隼
いいっすね、亜嵐くんは
亜嵐
亜嵐
え?笑
隼
なんでもないでぇぇす

嫌味たっぷりでそう言うと


なんなの、ってケラケラ笑ってる

その笑顔もかっこよくて、

一つため息をついた




〈あなたside〉


あ、またあの人来てる、、



カランカラン
って心地いい音が聞こえてきた扉の向こうには
よく見かける金髪の人がいて

目が合いそうになったから
急いで下を向いて本を読む。



私と目が合うわけないのに
こうやって、ドキドキしちゃうのは



私は多分貴方に
”一目惚れ”をしてしまったから



私は一人でいるのが好きで、

友達が居ないって訳ではないけど
休みの日はほとんどここに来て一人の時間。



優しいマスターと店内に流れる柔らかな音楽

そして広がるコーヒーの香り




私はここが、大好きな場所


あの人が来る日は特に……。なんて…



隣に居るお友達と話してる雰囲気を見ると


私みたいな暗い女の子じゃなくて

元気な子が好きなんだろうな~
って感じがする



名前も知らない、話したこともない…

なのに恋なんて馬鹿馬鹿しい。


って思う人も居るかもしれないけれど



この恋、まだ続けてもいいですか?


って心の中で聞こえないはずの貴方に言った

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