第20話

素直に
1,099
2019/02/16 10:47



〈隼side〉
涼太
涼太
だから、今何をすればいいのか分かんない。
ってことか…
隼
そう……


小森隼、
ただいま涼太くんに相談をしています
涼太
涼太
えーーー
むーずーかーしーいー(•ε•`*)
隼
これ結構真面目な話なんだけど…
涼太
涼太
ごめんごめん、笑
涼太
涼太
…えーー、でもなー
俺は隼じゃないし、
自分の思った通りに行動するのが一番楽だと思うけど?
隼
まぁ確かにね、
出来るんなら俺もそうしたいけど。

何が起きるか分かんないからさ。
それが怖いんだよね
涼太
涼太
怖い。って言うけどさ
この状況から逃げてるだけでしょ
隼
え?
涼太
涼太
いや、まぁ確かにね??
俺が隼だったら、怖いよ。もちろん。

でもさ、起きてもないこと
怖い怖い。って言ったって
ただ逃げるだけで終わりじゃん
隼
うーん、、

逃げるだけで終わり。

まあ確かにそうだけど


でもやっぱり怖いんだよな
涼太
涼太
今結構会えてるから
怖い。とか思うんじゃない?

考えてみて、
もう会えなくなったら?
もう見ることも話すことも出来なくなったら?
隼
………


そんなことになったら、

俺は一体どうなるだろう。




多分、生きる意味を見失う。

大袈裟。って笑われるかもしれないけど


それくらいあなたちゃんの存在は大事
涼太
涼太
俺があの時、あの選択をしとけば良かった。
って絶対後悔する。


隼がずっと、あなたちゃんの傍にいれば
守ることくらい出来るでしょ?
涼太
涼太
なんで、
怖い。って
すぐ逃げようとするの
隼
…………出来るかな、そんなこと
涼太
涼太
出来る。隼なら
隼
でも、亜嵐くんが、、
涼太
涼太
気にしない!
遠慮しなくていいから
とりあえずいくの!!
隼
………
もし今俺が、あなたちゃんのとこに行って


好きだよ。って伝えられたら



今更なに?って怒るかな、

嘘つかないで。って泣くかな、

私もだよ。って笑ってくれるかな、



嗚呼、一目惚れって辛いんだ。

気付かないうちに、どんどん好きになってて
もうその子しか見えなくなってしまう。
隼
……ねえ涼太くん
涼太
涼太
ん?
隼
なんか今、すごい泣きそう…
涼太
涼太
…え、?!大丈夫?
隼
もう俺…まじ何やってんだろ…

だんだん目頭が熱くなる
涼太
涼太
うん、いっぱい泣きな。

涼太くんのその一言で、

俺の涙腺は崩壊して。


それからずっと泣きやむまで
涼太くんは俺の酒に付き合ってくれた




多分、この涙は
自分へのやるせなさじゃなくて、

ある意味、
あなたちゃんが好きすぎてなんだ。






〈あなたside〉


昨日、亜嵐と少し電話したあと


気付けばソファーで寝てて

今朝風呂から上がったところ。



テーブルの上に置いてある携帯が振動して
見てみると、"亜嵐"って文字
貴方
貴方
もしもーし
亜嵐
亜嵐
あ、もしもーし

今時間ある?
貴方
貴方
うん、大丈夫だよ
亜嵐
亜嵐
やった!


そんな声の後、

鳴るのは家のインターホン



嘘でしょ…………もしかして…
電話を切ってドアを開ける



ガチャッ
亜嵐
亜嵐
やっほ♪


バタン





今のは夢だ。


うん。絶対にそうだ。
貴方
貴方
もう一回寝るか……
亜嵐
亜嵐
ねえ、ちょっとー??
開けてよーー


ドアの向こうからずっと聞こえる声



ガチャッ
亜嵐
亜嵐
やっほ♪


また閉めようとしたらドアを掴まれて
亜嵐
亜嵐
同じ手に引っかかるか!
貴方
貴方
え、なんで??
亜嵐
亜嵐
なんで。って……


まあ理由は後で話す!
とりあえず中入れて!寒い!!!
貴方
貴方
あ、そっか、ごめん。
普通に閉め出してた
亜嵐
亜嵐
ほんとだよー、まじ寒いんだから…

あー、女の子って感じの匂いがするー!
朝風呂入ったでしょ!
って笑顔でそんなこと聞いてくる亜嵐
貴方
貴方
……やっぱ変態は入れない。

出てって
亜嵐
亜嵐
あぁ、ごめんごめん!!笑
入れてください!
貴方
貴方
…えー、片付けてない…
亜嵐
亜嵐
全然大丈夫!
座るとこだけあればいいよ!
貴方
貴方
そんなゴミ屋敷じゃないから!笑

もー、入って

やった♪
って、語尾に音符が見えるような反応で

後ろから付いてくる亜嵐
貴方
貴方
汚いけど、座ってて
亜嵐
亜嵐
……え、あ、え、
普通に綺麗でびっくりしたんだけど、笑

私が持ってるCD見たり
私の家をずっと回ってて

新築に来た犬か!って感じ、笑
貴方
貴方
はい、コーヒー淹れたよ
亜嵐
亜嵐
お!ありがと!


二人で向かいに座って

コーヒー飲んで
あ、うまっ。
って呟いてる亜嵐を眺めてたら
亜嵐
亜嵐
ん?なんか付いてる?
貴方
貴方
付いてない。
かっこいいなーって思って
亜嵐
亜嵐
何急に、笑笑
貴方
貴方
……で?なんでこんな急に
亜嵐
亜嵐
えーっとー、
一応ご飯食べるお店探したんだけど

なーんか違くて
だから、あなたの家なら行ける!!
って思ってさ!
貴方
貴方
私の家なら。
ってそれどこ基準なの
亜嵐
亜嵐
いいじゃん!
貴方
貴方
てか!まずそもそも
なんで私の家知ってんの、、
亜嵐
亜嵐
え、前に隼と帰ってるとこたまたま見つけて
追いかけたらここだったから!
貴方
貴方
ねえそれ完全ストーカー
亜嵐
亜嵐
ごめん、

でもいいじゃん!楽しいし!家の方が!
貴方
貴方
…まぁね


あれ、てかまって。

ご飯食べに行く予定がこれってことは、、
貴方
貴方
…今日ご飯ここで食べようと、、?
亜嵐
亜嵐
うん!食べたい!

いいよ!

ありがとう!
貴方
貴方
自問自答……
貴方
貴方
……うん、もういいや。分かった
亜嵐
亜嵐
うん、良かった、笑


あ、それでさ?本題に入るんだけど
貴方
貴方
ん?
亜嵐
亜嵐
隼、あの事分かってなかったみたいだけど
貴方
貴方
あの事って、?
亜嵐
亜嵐
だから、
迷惑だ。って言われた話
貴方
貴方
あ、それか…

って、え?なんで?
亜嵐
亜嵐
、実はさあの電話の後に隼と電話してさ

そんなの知らないっす。って言ってたよ
貴方
貴方
いやでも、、
隼が、好きじゃない。って言ってたって
亜嵐
亜嵐
嘘なんじゃない?
貴方
貴方
………え、
亜嵐
亜嵐
てかほら、
好きじゃない。っていうかさ
ペアの子がペアの子だから。
好き。って言えないとか
亜嵐
亜嵐
好きではないけど嫌いではない。
とかさ、
好きじゃない。って言葉だけで
色んな意味があるんだよ?
貴方
貴方
…………確かに
亜嵐
亜嵐
だから、そんなに落ち込むことないし
気にしなくて良いと思うんだけどなー…
貴方
貴方
…うん、ありがとう


まだ、、信じれる、?


今、隼くんに会えたら

信じてもいい?って聞きたい
亜嵐
亜嵐
うん!
よし、この話終わり!笑

お腹空いたー!
貴方
貴方
はあ…
ここ人の家ね?笑


お昼ご飯を作ろうと思って

冷蔵庫を開ける
貴方
貴方
色々作れるか

材料を取って

キッチンに立つ
貴方
貴方
……あ、ねえねえ亜嵐
亜嵐
亜嵐
んー?

キッチンの向こうから返ってくる声
貴方
貴方
今日いつまで居るの?笑笑
亜嵐
亜嵐
もうお昼ご飯食べたら帰るよ!笑
 はーい、って返事して


ご飯を作りはじめる



作り始めてからしばらくして
亜嵐
亜嵐
わ、すごい良い匂いする!

そんなこと言いながら
キッチンに入ってくる亜嵐
貴方
貴方
ハンバーグです、笑
もう出来るから
持ってって
亜嵐
亜嵐
ほーい


亜嵐が手伝ってくれて


二人で向かいに座ってから
亜嵐
亜嵐
いただきます!!!

亜嵐が一口食べて

反応を見てたら
亜嵐
亜嵐
熱い……

だんだん涙目になる亜嵐
貴方
貴方
バカ、笑笑
亜嵐
亜嵐
熱っ……


あ、美味いっっっ!!!!!!
貴方
貴方
それは良かった、笑


それからずっと食べてる亜嵐を見て
亜嵐
亜嵐
……ねぇ、
なんでさっきから見てるの?笑
貴方
貴方
…私さ、この前亜嵐が
信じてあげて。って言ってくれなかったら
もう隼くんのこと諦めるところだった
貴方
貴方
でもさ、
今もこうやって、話してくれて
聞いてくれて。
ほんと、亜嵐に助けてもらってばっかりだ笑
亜嵐
亜嵐
………隼のこと、まだ好き?
貴方
貴方
…うん、好き

隼くんの口から聞くまで絶対諦めない
亜嵐
亜嵐
……そっ、か。
貴方
貴方
、どうした?
亜嵐
亜嵐
いや、なんでもない!
頑張って…!
貴方
貴方
ありがとう!!


ごちそうさま。
って亜嵐がキッチンに行って
貴方
貴方
あああ!大丈夫!
私が洗うから!
亜嵐
亜嵐
いやでも、手伝わせて?
貴方
貴方
大丈夫!
ゆっくりしてて

亜嵐が洗おうとしたのを辞めて

私がお皿を洗い出す
貴方
貴方
わざわざ来てもらったのに
洗わせるなんてさせないよ、笑
亜嵐
亜嵐
俺が勝手に押しかけただけだから、笑
貴方
貴方
大丈夫大丈夫、笑

お皿を洗って

でもまだ亜嵐はそこに居たままで
貴方
貴方
あれ、亜嵐?

向こう行ってていいy……?!

言い終わる前に感じたのは

亜嵐の温もり



バックハグ。ってやつされてて
貴方
貴方
……え、あ、ちょ、亜嵐、?

こういうの慣れてない私は

挙動不審になっちゃって
亜嵐
亜嵐
………あなた
貴方
貴方
……は、はい
亜嵐
亜嵐
…ごめん、隼のこと好きなのは知ってるけど
少しだけ。こうさせて
貴方
貴方
……い、良いけど、、

亜嵐の声が、すぐ近くに聞こえて
心臓がバクバクしてる
貴方
貴方
……あ、あの、、
私今、心臓が、バクバク、、してて、、
亜嵐
亜嵐
………

亜嵐が無言で離れて

私と向き合うと

私の右手を掴んで亜嵐の胸元に当てる
亜嵐
亜嵐
ほら、俺もやばいくらいに
緊張してる


意識してみると、本当にバクバクしてて

亜嵐
亜嵐
ごめん、俺
あなたと別れて
未練とか全く無かったはずなのに……
貴方
貴方
……
亜嵐
亜嵐
またいつの間にか、
………好きになってた


弱々しく言う亜嵐に
何も言い返せずにいると
亜嵐
亜嵐
…ほんと、ごめん。
こんなつもりじゃなかったんだけど
亜嵐
亜嵐
あなたに俺の気持ちバレないようにしよう
って思って今日すげぇ元気に振る舞ってたんだけど。

無理だったわ…
貴方
貴方
………
亜嵐
亜嵐
結局、あなた困らせて。
まじ俺何やってんの。

あぁ、
ってガシガシ頭を掻いてる亜嵐
亜嵐
亜嵐
さっきも、かっこいい。
ってあなたが言った時
バカみたいに心臓バクバクして

このまま死ぬんじゃねぇの。
ってくらいドキドキした
亜嵐
亜嵐
……でも、隼への気持ちに邪魔するつもりなんかないし

見守れるように頑張る。
亜嵐
亜嵐
、もし隼が!
あなたに何かしたら
俺が飛んでくから。

そこだけは覚えといて。笑
貴方
貴方
…ありがとう

自分でも気付かぬうちに涙が溢れてて

亜嵐が親指で涙をすくう
亜嵐
亜嵐
もー、泣かないで、笑
応援してる。頑張れ。

ニコッって微笑んで


じゃあね、って玄関に向かう


私も後ろから付いていって


亜嵐が靴を履いてから出て行く時
貴方
貴方
、っ亜嵐!
亜嵐
亜嵐
ん?
貴方
貴方
亜嵐のそういう所。
大好きだよ。

ほんとにありがとう
亜嵐
亜嵐
………あぁもう
んなこと言われたら益々諦めきれねぇじゃん
そんなのだめ!亜嵐くん帰る!!

って独り言言いながら外に出ていく亜嵐
バッって私の方を向いて



ドアが閉まりながら
亜嵐
亜嵐
…俺も好きだよ。そういう所

なんて言うから、


貴方
貴方
……ずる…

ほんとにほんとに、亜嵐はずるいけど。



そんな亜嵐のお陰で
素直に隼くんに向き合える。






急いで携帯を開いて
隼くんにLINEを送る



「隼くん、会える日ありませんか。」

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