第11話

第9話*
163
2019/04/15 08:48
次の日。


半分夢心地で教室に入り、席に着く。




紀伊健人
おはよ、真尋!
坂野真尋
健人!おはよ!
紀伊健人
大丈夫か?元気なさそーだけど?
席に着くなり、健人が声をかける。


いつも変化に気づいてくれて、ほんとに良い友達だな……。




坂野真尋
ありがと!!
てか健人、いつも人の事気にかけてるよね!
健人はクラスのムードメーカーだが、芯がしっかりしていて皆から信頼されている。
だからこそ、友達が多くて好かれているのだ。

坂野真尋
ほんと、健人っていい人だね!
健人の友達になれて良かった!なんてね
私は心の底から微笑んだ。
健人は私の親友だなぁ。

そう、のんきに考えていた。






その時、健人が浮かない顔をした。









紀伊健人
………………。
坂野真尋
健人?何かあった?
急にパタリと喋らなくなった健人。

石のように固まっている。




どうか、したのかな?
紀伊健人
真尋さ、俺……。





健人は私の顔を見た。


周りの音が聞こえなくなる。
紀伊健人
お前を、友達だと思ったことないから。
サアッ………………。



私たちの間を風がすり抜けていく。







私たち、友達じゃなかったの……?


でも、次に健人から出てきた言葉は耳を疑うものだった。









紀伊健人
俺、お前が好きなんだ。






どきん。





私の胸の鼓動が早くなった。

今、なんて……??



あの健人が、私を好き………………………………?






紀伊健人
考えといて。
健人はそういうと、私の頭をポンッと撫でてその場を立ち去った。









私は、立ち尽くすしかなかった。








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