第3話

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2021/07/19 06:31
「えーーー男の子ひとりぐらい平気でしょ?」

「冗談言わないでよ、私こんな内気なのに…無理に
決まってるよ!!」



私はスマホに怒鳴る。








間違えた、香恋に怒鳴る。


私はあまり人とは関わりたくない。






ましては男の子と同居とか地獄でしかないわ…!!




「だーいーじょーぶ。炭治郎、15歳にしては
しっかりしてるから!料理もできるし、家事は文句
無しよ」

「そ、そう簡単に言って…!!香恋!?」

「あんたそれにマトモに料理もしないし、栄養取れてないでしょ?丁度良い機会じゃない。教えてもらい
なさいよ、わかった?」


待って、香恋まさか…





「香恋まさかそれ狙いじゃ……?!」

「流石学生時代成績学年トップね。せいかーい!」

「嫌だ!私絶対そんなの…」

「お願いよ。炭治郎の家今大変でさぁ…、あのね?
炭治郎の家引っ越しになって。けどせっかく受かった高校、行かないの可哀想でしょ?だからその高校に
近いあなたの家が1番だなって」

「余計に断りづらい話ぶっ込まないでよもう…」






でも、確かに受かったのにかわいそうだしなぁ。






仕方ない。


我慢だ。















「わかったよ」

「本当?ありがとうねあなた、感謝する!あ、今日お昼からまた大学でね!」

「はぁーい…」
 



はぁー…とため息をついて、赤髪の子の方を向く。










この子が香恋の…?






本当、しっかりしてそう…
………私より礼儀正しそうね。





そう考えていたら、向こうから声をかけてきた。




「あの、さっきごめんなさい…いきなり押しかけて。香恋って、無理やりですよねいつも」



そう苦笑いして話してくれた。








…なんて好青年?


学校では結構モテるのでは。




「…大丈夫。炭治郎くん、かな。荷物は?」
「あ、玄関に置かせていただきました!部屋の中は
あなたさんの許可を得てないし、失礼だと思うので」





…わたし、この子の礼儀正しさについていけないよ。

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