〔あなた〕
としみつ突撃を考えて早1ヶ月。今日は本番!
あなた「え〜っと、、」
駅からは徒歩でとしみつの家まで行く。迷子になったらどうしようと子供でもないのに焦ってしまう。
あなた「、、、!」
この前訪れた鈴木プリンスホテルだ。駅から悩みながらにも到着。
合鍵もあるし準備は万端。後はそろーり部屋に入るだけ。
あなた「お邪魔しま〜す」
なんとなく小声で話すと、明らかにシンとしたとしみつの家。車は置いてあったし撮影日でもない。もしや…
そう思って向かった寝室のベットで寝ている彼。
昨日は飲み会だったのかな。
あなた「お〜い」
起きないと分かっているけど、小声で声を掛けてみる。撮影にも寝坊しちゃうみたいだし、、相当眠りが深いのかな。
あなた「ねぇ起きてよ、ノンレム睡眠」
としみつ「、、、?」
お!ちょっと顔をしかめたとしみつ。
としみつ「あなた…?」
あなた「そう、あなた」
としみつ「はぁ…」
あなた「???」
としみつ「これが現実だったらいいのに」
ベッドの隣に座っていたのに体は一気に引き寄せられてとしみつに密着した。
あなた「としみつ…!これげんじ…」
そう言いかけた所で私にキスしてくるとしみつ。この前起きてる時ですらしなかったのに、夢だと許されると思ってる…!
と「ん…好き」
心臓がうるさくて鳴り止まない。やっぱりとしみつって大人の人なんだ。
あなた「としみつ、起きて…?これ夢じゃないの」
としみつ「…は?」
急にちゃんと目を覚ますとしみつ。やっと起きたみたい。
としみつ「え、あなた来たの?」
あなた「そう、どうせ会えないなら突撃してやるーと思って…」
としみつ「無理」
そう言って私を強く抱きしめるとしみつはベットにいるからなのかとても暖かくて。
あなた「えへへ」
としみつ「待って、さっき俺…」
コロコロ表情が変わる彼。
としみつ「もしかして、夢だと思って…」
あなた「…///」
としみつ「やらかした…!」
あなた「…///」
としみつ「ごめん…嫌だったよね」
そう言ってしゅんとする彼はこの前私が拒んだことを気にしているのだろう。
あなた「ううん…嬉しかったよ」
としみつ「え」
私からとしみつにキスすると
としみつ「そんなことしちゃダメ」
あなた「へっ…」
しっかりとやり返してくる彼は意地悪だ。
としみつ「嬉しいな…」
あなた「今日の予定は?」
としみつ「今日の予定はね…まずい!」
あなた「なななに!?」
としみつ「今日撮影だった…」
現在時刻は7:45。ごめんなさい、面白くない時間にちゃんと遅刻しそうです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!