カンタはものすごく満足そうに、
笑っていた。
心の奥にチクって刺さる黒い影。
沙絵に言われたことを思い出す。
今は……聞けない。
こんなに良い状態で……
余計なことは考えず、
ただこの場を楽しみたい。
不思議そうな顔をするカンタ。
カンタにはいつもすぐ見透かされる。
今度は不安そうな顔をする。
不安そうに聞いてくる。
言えない……
聞けない…今は…聞きたくない…
照れくさそうにそう答えた。
嘘をついてるようには見えない。
やっぱり聞かないでおこう。
きっと、なにか理由があるんだ……
カンタは嬉しそうにしていた。
この笑顔を崩したくない。
そう思った。
楽しく食事をしたあと、
普段はあまり行くことの無い
ラ○ホテルに行った。
とっても綺麗なところで
ベットもキングサイズ。
終電を逃し帰るのがめんどくさかったから
何気なく入ったけど……
高級ホテルみたいに綺麗。
選んだ部屋は最上階で、
結構眺めもよかった。
てゆっても、
普段は閉まってるんだろうけど。
あたしは部屋の中を探索していた。
カンタはなんだかソワソワしていた。
多分だけど困ってるんだろうな…(笑)
そう言ってお風呂に行った。
カンタを待ってる間
変な緊張をしてしまい、
カンタがお風呂から上がってきた時
温まったカンタは顔が赤く、
なんだかとっても色っぽくて、
恥ずかしくなり急いであたしもお風呂に入った。
お風呂の中でのぼせそうなほど
照れてるのが無くなるまで待ち続け、
急いで上がってカンタが待つ部屋まで急いだ。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。