あの、資料室事件から数日。
やっと長い一週間が終わり、
土日の休みに入る。
あれから部長とは二人きりとかはなく、
喋ってもない。
うん、平和が1番っ!
小声で聞いてきた。
なんだろう……
いつもより真剣に言うから、
気になったけどここでは聞けない。
あたし達には行きつけのお店がある。
早く話が聞きたくて、
早く飲みたくて、
仕事を急いで終わらせた。
なんとか定時で帰ることができ、
一旦帰って着替えて出ることになった。
沢山飲もうと思い、
少しラフな感じに着替え家を出た。
お店の前に着くともう沙絵はいた。
一緒に居酒屋に入り、
席に誘導される。
まずは飲み物を頼み、
乾杯をして一息。
携帯を渡され、
覗いてみるとそこには
カンタの姿があった。
沙絵にはカンタを会わせていて、
遊ぶこともよくあった。
ほんとに?って
念入りに聞いてくる沙絵。
なんだろ……
もう1枚見せられた写真には、
同じ格好をしたカンタ……と女。
えっ?誰?
ビックリしすぎて、
頭が追いつかない。
怒り?いや、そんなものない。
悲しみ?それはある。
だけど……
あたしにカンタを責める権利はない。
あたしだって……部長と……
ドキッ
沙絵の言葉にドキッてする。
一緒に歩いてるのだけじゃあ、
判断できない……
それにあたしは……
それより酷いことしてるから…
あたしはお酒を一口飲み、
うんと頷いた。
ビックリしちゃってつい……って、
沙絵は少し落ち込んだ。
ほんとに、沙絵は良い人だ。
心配してくれて、
こうして楽しく飲める。
そういえど気になる……
だけどその日は気にせず、
沙絵と飲み明かした。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。