第23話

No.23
761
2019/03/15 23:45
トミー
トミー
嫌われてるのかと思ってたけど、そーではないんだね


良かった良かったと、
少しだけ意地悪な笑顔でそう言う。






嫌い……な訳じゃない。






でも素直に言うのは嫌だった。


あなた

変なことしてくる部長は嫌いです!

トミー
トミー
なんもしなかったら?


ニヤニヤとあたしを見てくる。




こいつ……






何も言わずにいると
そーゆうことにしとこって、


自分勝手に納得していた。










トミー
トミー
……もう大丈夫か?


そうだ、あたし……




カンタの行動を思い出し、
また少し落ち込んだ。





でもさっきよりはマシだった。



あなた

もう、大丈夫です

トミー
トミー
彼氏と、喧嘩でもしたか?



チクッと胸が痛くなる。




喧嘩……ではないんだけど…




トミー
トミー
……俺だったら
あなた

……え?

トミー
トミー
俺だったら、そんな思いもそんな顔もさせないけどな



真剣な顔で、

ただ真っ直ぐにあたしを見つめ、



そんなことを言われる。






ドキッ



胸が高鳴るのが分かる。



どーゆう…意味?



トミー
トミー
……クリスマス、もうすぐだな


急に話を変えられ、
上手く返事が出来ないでいた。




トミー
トミー
やっぱ彼氏とデート?
あなた

……はい



そっかとまた寂しそうな顔をする。





ズキズキと胸が痛い。



なんでだろ……














トミー
トミー
じゃあ、また…職場で
あなた

はい、お疲れ様です




その場を離れたあたし達は、
それぞれ別の道で帰った。





帰り道はただただ考え事でいっぱいだった。






とりあえず急いで帰り、
ご飯を食べお風呂に入る。





何気なくやってる事だけど、
ひとつ何かをする事に

頭の中がぐるぐるする。




カンタと女の子を見たもやもやと、
部長の言葉にチクチクする胸。







もう……一体どうなってんの……





何も考えたくなくて、

その日はすぐ眠った。


プリ小説オーディオドラマ