会社に着き、
自分の部署に戻ろうとした。
引き留められた。
えっ…
資料室は誰もあまり使ってなくて、
滅多に人が来ない場所。
資料室であんなことやこんなことを
している社員がいたとか……
また思い出して、
赤くなる。
けらけらと、
あたしを指さして笑う。
ついて行かなきゃ行けない雰囲気で、
仕方なくついて行くことにした。
また、めんどくさいことになりたくないし…
資料室につき、
資料を探し始めた。
にしても、ホコリがすごい……
掃除したら使える広さなのに…
机や椅子は少し綺麗だった。
誰か使ったりするのかな…
もしかしてここで…
また変なことを考えて、
赤くなった。
ま、まずい…見られたら笑われる…
部長に見えないように資料を探した。
ってか…………
あたしが探してるのを、
机の上に座り眺めていた。
…何言ってんだこの人。
上の方とか下の方とか、
動いてるとだんだん暑くなる。
さっき変なこと考えちゃったから
余計だわ……
ガチャンッ!
……え?
音のする方をみると、
部長が資料室の鍵を閉めていた。
そしてその前にほうきを置き、
つっかえ棒みたいにする。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。