なかのっちside
会議室の扉を勢いよく開け、ギリギリで駆け込む俺に注意する俺の上司、高田さんと許してくださった社長、神宮寺さんの隣に座る。
一応俺ここの組織内だと上の方なんだよな、マジで実感ないけど。
そんなこんなで会議が始まる。
それは俺も思っていた。敵がだんだん強くなっている。
他にもいろんな話し合いをし、会議が終わった。もう夜遅いし練習するのは明日にするかぁ。
高田村の面々とはときどき模擬戦のようなものをする。すごく刺激になるから嬉しい。
社長だというのにいろんな人に丁寧な神宮寺さん、さすがだなぁ…と思う。
懐かしいなぁー、と神宮寺さんが呟く。
番長ってそんなに上の人だったんだ…ちょっとびっくりした…でも俺たちと一緒に学園通ってたよな…?どうして補佐をやめたんだろう?
いけない、今は任務のこと考えないと。番長には今度機会があったら聞いてみよう。
そう思い、とりあえず番長の事は置いといて任務をどうするかを考えながら家に帰る。
はやく行けたら明日行きたいなぁ…と思いながら待っていると『ほぼ』全員が揃った。
どこいったんだ?別に行動を制限するつもりはないけど…こんな夜遅くに?
さっきから一言も喋らない瀬戸に聞いてみる。部屋が同室なんだから何か知ってるだろう。
瀬戸がそっぽを向きながらそう話す。
朝までには帰ってくると言ってるみたいだし心配はいらないかな
瀬戸side
勝手に拗ねてるということにされた。マジで腹立つ。けどなつぴょんのことを知らないと思ってもらえたのでよしとする。
知ってるよ。
どこにいってるか。
何をしているのか。
お前が背負っているものも全部。
でも。知っていてもなんの役にも立たない自分に腹が立つ。
あいつがさっきどんな顔で出ていったかなんてここにいるみんなには想像もつかないだろう。
「仕事だから。」
俺にはこれしか言ってくれない。
頼ってもくれない。
それでも俺には話してくれてるから信用されているととってもいいのだろうか。
ここにいる奴ら全員、お前のこと嫌わないよ。頼れる奴らだよ。
頼れよ。
いくらそう言ってもあいつには届かない。
「みんな、俺を受け入れてくれるだろうとは思ってるよ。」
「これは俺のわがままなんだ。」
じゃあ行ってくる。と悲しそうに笑いながら真っ黒な鎌を担ぐなつぴょんを俺は見送ることしか出来なかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。