第37話

今の自分にできる事。
3,061
2020/07/27 08:51
翌日   病室   朝
ガラッ
藍沢耕作
藍沢耕作
恵〜おはよう〜
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
……おはよう。
藍沢耕作
藍沢耕作
……え、どうした?
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
今の私って…何が出来る?
藍沢耕作
藍沢耕作
……ん?
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
病気になっちゃって、皆に迷惑かけて。そんな自分に何が出来るのかなって思って。
藍沢耕作
藍沢耕作
……あなたと同じような事言うな。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
え?
藍沢耕作
藍沢耕作
あなたも「皆に迷惑かけるのが嫌だった」って言ってた。…似た者同士だな。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
……ねぇ耕作。お願いがあるの。
藍沢耕作
藍沢耕作
なんだ?
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
あなたに会って来て。そしていっぱいいっぱい褒めてあげて。私の分まで。
藍沢耕作
藍沢耕作
……分かった。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
今の自分に出来る事と言えば提案する事しかないから…この案、受け入れてくれてありがとう。
藍沢耕作
藍沢耕作
…ちゃんと伝えてくる。
スタッフステーション
緋山美帆子
緋山美帆子
……で、どーすんの、今日平日だけど。
冴島はるか
冴島はるか
学校終わりに寄ってもらいますか?
藤川一男
藤川一男
学校終わり…寄ってくれるかなぁ?
冴島はるか
冴島はるか
……横峯先生!
横峯あかり
横峯あかり
へ?あ、はい!
冴島はるか
冴島はるか
あなたちゃんを放課後連れてきて下さい。
横峯あかり
横峯あかり
…え?ここに…ですか?
冴島はるか
冴島はるか
ここにです。
横峯あかり
横峯あかり
わ、分かりました…
藤川一男
藤川一男
横峯に任せて大丈夫か…?
緋山美帆子
緋山美帆子
多分大丈夫だとは思うけど…どうだろう…(苦笑)
放課後   駅
藍沢○○
藍沢○○
はぁぁぁぁ…
藤川裕也
藤川裕也
でっけぇため息(笑)
藍沢○○
藍沢○○
疲れた…
横峯あかり
横峯あかり
㌧㌧(。´・ω・)ノ゙
藍沢○○
藍沢○○
へ?…あ。
藤川裕也
藤川裕也
ん?あぁ横峯先生?でしたっけ?
横峯あかり
横峯あかり
はい!横峯です☺︎
藍沢○○
藍沢○○
なんでここに……?
横峯あかり
横峯あかり
皆心配してるから…病院に1回行ってみない?
藍沢○○
藍沢○○
嫌で___
藤川裕也
藤川裕也
行こ。
藍沢○○
藍沢○○
……え?
藤川裕也
藤川裕也
行くよー(あなたの腕を掴む)
藍沢○○
藍沢○○
え、ちょちょ…
反対のホームでは……
松山璃久
松山璃久
朝早く行って仕事終わらしてて良かったぁ…
お義父さんからのメールすぐ気付けたし……
あなた病院戻って来てくれるのかな…
松山璃久
松山璃久
(ふと反対のホームを見る)……あれ?
松山璃久
松山璃久
あなたと横峯先生と……助けてくれた子?
松山璃久
松山璃久
…どういう事……?
松山璃久
松山璃久
腕掴んでるし…意味が分からない…
翔北    病室
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
あなた…
藍沢○○
藍沢○○
…ごめんなさい。
藍沢耕作
藍沢耕作
……(無言)
藍沢○○
藍沢○○
私ね、吹奏楽辞めたいの。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
えっ……?
藍沢○○
藍沢○○
先輩が引退した後、私が新部長候補に上がってて。でも普通は2年生が部長になるからさ。色々揉めちゃって。
藍沢耕作
藍沢耕作
……そうか。あなたが望むなら阻止しない。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
耕作…?
藍沢耕作
藍沢耕作
ただし、もう戻るなよ。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
耕作!
藍沢耕作
藍沢耕作
なんだ?
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
あなたの本心な訳無いでしょう?なのにそんな事言うって…
藍沢耕作
藍沢耕作
…今の恵に出来る事はそれだ。後は頼んだ。
(病室を出る)
藍沢○○
藍沢○○
…お母さん。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
……お母さん、今自分に何が出来るか分からなくなって。もうすぐ死んじゃうし、もういっかなって思っちゃったの。でもあなたが、今の私に何が出来るか教えてくれた。ありがとう。
藍沢○○
藍沢○○
…私の方こそごめんね。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
いいのよ、あなたの気が済むまでやったらいいの。
藍沢○○
藍沢○○
…ありがとう。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
でも出来れば、吹奏楽辞めないで欲しいなーなんて。
藍沢○○
藍沢○○
……ごめんね、それは無理なの。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
え?
藍沢○○
藍沢○○
……揉めたのは本当だから。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
そう…なのね、無理言ってごめんね。
藍沢○○
藍沢○○
ううん、大丈夫。……それよりさ。
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
ん?どうしたの?
藍沢○○
藍沢○○
今日、駅で裕也くんと電車待ってたのね、そしたら横峯先生来てここまで来たんだけど……駅の反対のホームに璃久が居た気がして……
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
…それは大問題じゃ?
藍沢○○
藍沢○○
そうなの……
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
ありゃりゃ…問題は次々起こっちゃうね(笑)
藍沢○○
藍沢○○
そーなんだよぉぉ!!見られてたら終わり…
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
璃久くんなら話せば分かってくれるんじゃない?(笑)
藍沢○○
藍沢○○
どーだろ…(苦笑)
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
取り敢えず今日話し……ゲホッゴホッ
藍沢○○
藍沢○○
え、お母さん?
白石(藍沢)恵
白石(藍沢)恵
ゴホッゲホッゴホッ(吐血)
藍沢○○
藍沢○○
(ナースコールを押す)お母さん……
緋山美帆子
緋山美帆子
ナースコール「白石ー?どしたー?」
藍沢○○
藍沢○○
ナースコール「お母さんが吐血しました、すぐ来て貰えますか?」
緋山美帆子
緋山美帆子
ナースコール「え…分かった、すぐ行く。」
白石side
タイミングが悪い…
やっとあなたが元通りになってくれたと思った矢先、私の病気は進行しちゃったみたい…
後何ヶ月あなたの成長を見ていられるんだろう。
思い残す事がないように、色々しておかなくちゃなぁ…















こんな事を思っている内に私は意識を手放した____

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