あれから数年…早いものだ
私ももうすぐ20代中盤になる
そして今日、彼が釈放される日
入口のところを車の窓から眺めていると
警備員に連れられ大きな建物から出てきた
彼は外の光が眩しいのか、少し目を窄め
そして自由になった手を、まるで気持ちが悪いかのように触っていた
車から降りて、声をかければ
驚いたのか、珍しくポーカーフェイスが崩れる
ほんと皮肉ばっかり
そんな余裕たっぷりな彼の顔に1枚の紙切れを叩きつけた
ペシッと当たった紙を手に取り、目を通す彼
みるみる開かれていく目、そして彼が声を発そうとするより前に私が被せるように声を出した
私と
それを言うよりも前に彼によって口を塞がれた
私の口を塞いで言いたい放題…
苛立った私は
綺麗で大好きな彼の手を思いっきり噛む
でももう遅いよ
諦めるつもりなんてサラサラない
逃げたきゃ逃げればいい。
逃がすつもりもないけど













編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。