第4話

ずっと平凡だと思っていたのに。
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2018/02/11 09:39
意味が分からない。
……というのはきっと私だけではないはず。
佐藤 真里花
な、な……なんでぇ!?
案の定真里花の方も理解できていないようで、私の目の前で大袈裟に頭を抱えながら叫んでいる。
あなた

あ、そうだ!あのさ真里花

佐藤 真里花
……ん?
あなた

さっきのCDなんだけど……実はあれ、山田涼介からもらったんだよね

と告げると、真里花は理解出来ないのかピタリと硬直したまま口をぽかんと開けていた。

そこへ、私の右隣で女子に囲まれていた山田涼介が「なぁ」と声を掛けてきた。
山田涼介
山田涼介
俺が渡したCDは?
あなた

……真里花にあげた

真里花を指差すと、ようやく彼女も状況を理解してくれたようで顔をリンゴのように染めながら「信じられない!」と言わんばかりに絶叫した。


耳をつんざく程の真里花の悲鳴に、思わず耳を塞いだ。

そこまでオーバーに喜ぶなんて理解に苦しむが、やはり好きな子からしたら死ぬほど嬉しいものなのだろう。
山田涼介
山田涼介
お前は?
と言ってどこから出てきたのか昨日と全く同じCDを私に差し出した。

正直要らないんだけど。
知念侑李
知念侑李
涼介のは要らないって!
私の肩に手を乗せた知念侑李がひょこりと顔を出しながらニヤニヤと山田涼介をからかう。
山田涼介
山田涼介
はぁ!?
知念侑李
知念侑李
……ねっ!あなたちゃん!
あなた

どっ、どうして私の名前を………!

なんでも何も、同じクラスで隣りの席なんだから知ってて当然かと肩を落とした。

この2人に知られると色々と面倒な事が増えそうで嫌だったのだけど、もうこうなったら覚悟を決めるしかない。そう思った。
山田涼介
山田涼介
……え、あなたって言うの?
あなた

………名前なんてどうでもいいからっ!

呆然と私達3人の会話を耳にしていた真里花が「え、あなた……」と口を開いた。
あなた

違うのっ!この2人が勝手に………!

佐藤 真里花
………もしかして、あなたもpure×lovelyにハマったの!?
あなた

………へっ?

あまりにも酷すぎる親友の勘違いに、思わず涙を浮かべた。
ねぇ、真里花……今まで私の何を聞いていたというの?
知念侑李
知念侑李
え、そうなの?嬉しい!
知念侑李が大きく両手を広げ、私に勢いよく抱きついた。今まで男の子と触れ合う事に縁のなかった私は、ついつい赤面してしまう。
あなた

や、やめてぇ……っ

佐藤 真里花
………あのあなたが照れた……
いや、私だって照れる時は照れます。
一年に一度あるか無いかだけど。

両手で顔を覆いながら照れる私の周りで、知念侑李と一緒になってはしゃいでいる親友に初めて殺気を覚えた。
山田涼介
山田涼介
知念お前………っ!
山田涼介が知念侑李に襲いかかり追いかけっこを始めた事でようやく解放された私は、安堵の息をつきながら席についた。
佐藤 真里花
………なんか羨ましい
あなた

私からしたらかなり迷惑だよ………

このままずっと平凡な日々が続く。
そう信じ切っていたと言うのにこのザマだ。
山田涼介
山田涼介
あなたーっ!
知念侑李
知念侑李
放課後学校案内してーっ!
………これから私、どうなってしまうんだろう

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