第16話

彼氏が風邪引いたので
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2021/02/08 11:24
てつや「風邪?めっ、ずらしいりょうが風邪なんて」
りょう「うるさい、頭に響くから喋んな...」
てつや『ヒドイ...』
風邪を引いたとのことで、一応様子だけ見に来たらベッドで大人しく寝ていたりょう
マスクをして、冷えピタ貼ってる
前髪もセットしてないから下りているし、汗もかいてる
てつやはタオルを借りて、そっと汗を拭く
てつや「熱測った?」
りょう「朝は38°くらい...」
てつや「今は分かんないか、よっと」
ベッドに片足を乗せ、バランスを取りながらてつやは寝ているりょうの冷えピタを一回剥がして、前髪をかきあげてから、額を合わせる
てつや「んー...まぁそんな早くは下がんないよね」
りょう「お前、早く退けっての...風邪移るぞ」
てつやを押し退けたりょうの顔は赤かった
熱出てんだからそりゃそうか、とてつやは思っているが、果たして熱のせいなのか?
てつや「ともかく今日は寝てろって、何かあったら連絡してくれよな!ってことで俺は帰るから」
りょう「帰んの?」
てつや「うん、俺いても邪魔でゆっくり出来ないでしょ?こーいうのは看病慣れてそうなやつ呼んで手伝ってもらえよ、んじゃ早く元気になれ」
言い終わる前にてつやの手首を掴んで、りょうは同じベッドに沈めた
てつや「何々?どーした?」
風邪移るって言ったのそっちだぜ?
りょう「いや、ただお前にそばにいてほしい」
てつや「えっ!?///」
あまりにも直球に言われて、てつやは戸惑う
彼氏がデレた...りょうが甘えてる
意外だぁ...と思ってると抱き枕な感覚でりょうにてつやは抱きしめられる
てつや「あっついな、お前...///」
りょう「熱出てんだ、しょうがないだろ...」
少しだけ辛そうだな...風邪引きなれてないからこうやって引いたときは重いんだろう
てつや「可愛い彼女に風邪移っちゃっていいの?」
りょう「お前なんか可愛くねぇわ、それに移ったら看病してやる...」
てつや『何だよそれ......///』
ほんとに俺のこと好きなんですか貴方
まぁいいよ、今日くらい風邪だから甘えろよ
いつも俺が甘えてたし、ね
てつや『可愛い可愛い彼女に看病してもらってんだ...』
ありがたく思えよ、と寝てしまったりょうにマスク越しでキスをして、てつやも目を閉じた
てつや『にしてもあっつい......』





てつや「元気になって良かったな!さて、りょうも無事だし帰るね、ばーい!!」
朝起きて、熱も引いたほぼ完治に近いりょうに手を振って、帰っていくてつやを訝しげに見るりょう
りょう『アイツ、風邪引いた俺と一緒に寝たり、キスしたくせにめちゃくちゃ元気だな...』
やはりバカは風邪を引かないらしい...
ていうか、キスしてたのをちゃっかり見てたりょうだった





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