第6話

歳上てっちゃん♀と歳下りょうくん
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2021/01/05 01:19
てつやは頭を抱えていた
原因は隣で寝ている男のせい
昨日の夜、この男に良い様に丸め込まれ、抱かれてしまった
抱かれるのは良い!てつやもその男が好きだったから、が
問題は歳であった...





りょう「てつや、将来俺がお嫁さんにしてあげるから絶対結婚しちゃダメね」
年上なのだからさん付けか、せめてお姉さん呼びにしてくれない?と何度言ってもてつや、と言われ続けた
近所に住んでいた十歳も年の離れた男の子
母親同士が仲が良いため、てつやは彼が赤ちゃんの頃から面倒を見ていた
自分の弟と同じくらい愛がり、愛情を注いできていたつもり
ほんとに可愛いのに、可愛かったのに
りょう「てつや、俺と結婚しよう」
なんでこうなったの?
りょうが7歳で小学校入学してちょっと経った時、花の女子高生のてつやが、親友のしばゆーと一緒に帰っているときだ
たまたま小学校の帰りで、家に帰るりょうを見つけて、声をかけ、手を振った
りょうは目を見開いてから、ズカズカと歩いて、てつやの手を握って、しばゆーから引き離された
しばゆーとてつやは何が何だか分からない
軽く挨拶して別れたのだ
てつや「りょうくーん?どうしたのさ」
りょう「......」
どうやら不機嫌でだぞ、一体どうしたと言うのだ
てつや「りょう?お菓子買いに行く?お姉ちゃん今日はお金あるんだよ」
昨日お小遣い日だったからね
りょう「子供扱いしないで」
やっと喋った
てつやからしてみれば子どもなのに
りょうはぎゅっとてつやの手を握った
てつや「甘えん坊さんなのかな?今日のりょうは」
りょう「てつやは、」
てつや「ん?なーに?」
りょう「てつやは俺のお嫁さんになんだからあんま他の男と話さないで」
てつや「んー?は?お嫁さん?」
りょう「そう」
慌てて目線をりょうに合わせるために、しゃがみこむ
てつや「りょうさん?もしかして、てつやお姉ちゃんのこと好きなんですか?」
りょう「好き」
てつや「待って待って待ってお姉ちゃん17歳!!りょうは7歳!!年が離れすぎてる!!!お前はまだまだ若いんだから同い年の子を好きになりなさい!!!」
りょう「なんでてつやにそんなこと決められなきゃいけないの?俺はてつやが好き、絶対落としてみせるから」
屈んでいたてつやの口に軽いキスをするりょう
てつや「っ!!!?///」
りょう「覚悟してね」
子どもながら、どこで覚えてきたのか
初めてのキスは十歳も年下の男の子に奪われた
その日からりょうはてつやのそばを離れなかった
ほんとに、なんでこうなったのかな?
慕われる、じゃなく好かれてるとは
時も経てば、いつの間にかりょうはてつやの身長も追い越し、声も低くなって男らしくなった
てつやの通っていた高校に入り、その頃にはてつやは大学も卒業してそれなりに仕事をしてお金を稼いでいた
ここだけの秘密だが、有名Youtuberの社員として働いている
りょうの高校卒業も近づき、てつや28歳、りょう18歳となっていた
りょう「俺が高校卒業したら結婚してほしい」
てつやの一人暮らししていた家に、卒業間近になったりょうを招いてお祝いしていた時、りょうがふとそんなことを言った
てつや「...まだ私のこと好きだったの?」
りょう「言ったじゃん、俺のお嫁さんになるんだからって」
てつやは困った顔をした
何年も何年も分かりやすく自分にスキンシップをしたり、キスをされたりしたら、てつやも心が揺らいでしまう
てつや『年下の男にまさか心を奪われるなんて...』
りょう「てつや?」
てつや「あーもう分かったわよ!!私もうすぐアラサーだからね!?返品不可だから!!///」
りょう「!...もちろん、返品するつもりないから」
恋人として、キスをする二人
そこからなぜか燃え上がったりょうに抵抗する余地も出させず、てつやは抱かれた



そして冒頭に戻る
隣で寝ている一回り年が離れたりょうを見てため息を吐いた
てつや『私未成年とシて、逮捕されないかしら...』
無理矢理私が誘ってヤらした、てならないかしら...
私歳上だし!!ど、どうしようっ
捕まって新聞に載ったらどうしよう、テレビにも出ちゃうかもっ、と焦っているてつやを、実は起きているりょうが横目で確認しながら、てつやを可愛らしく感じ、フッと微笑んでいた













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