第10話
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さっきまで可愛い笑顔だったのに、急に男の人の顔を見せる。
「みんなと一緒にいる時はそっけないのに」
ボソッと小さな声で言うと、少し耳を赤くして困ったような笑顔になる豆ちゃん。
豆「あれは…あなたちゃんのせいだよ。結構わかりやすく顔に出てるし、景瑚くんにもからかわれるし。俺だって恥ずかしいんだって」
「気付いてた?私の気持ち」
今度は意地悪な笑みを浮かべる。
豆「どんな気持ち?」
「ずるい…言わせようとしてるでしょ」
豆ちゃんの綺麗な手が私の髪をそっと撫でる
豆「教えて?」
本当にずるい…
「好き」
豆「ん、俺も好き。ずっと前から…」
辺りは暗くて
まるで2人だけの世界。
月明かりの下
とても甘いキスをした。