第29話

連れ去られた巫女
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2021/03/22 13:29








さくらが連れ去られてしまい
安土城の広間では重力が解かれた武将達が
苦虫をかじる思いをしていた。



(家康)「さくら……」



(秀吉)「あいつ、ぜってぇ緩さねぇ!!」



(三成)「せっかく、仲良くなれたというときに……」



(政宗)「あいつ、俺達に危害が出ないように自ら敵に……」



(光秀)「信長様……どうなされますか?」



(信長)「決まっている、さくらを奪還し、あやつの願いを叶えるのみ!」



(秀吉)「織田軍と武田上杉軍で花見したいか……」



(信長)「あぁ、それを実現させるために
春日山城の連中に協力を願う
文は俺自ら出す……
秀吉、家康、政宗はさくらが連れ去られた場所を手当たり次第探れ!」



(秀吉、家康、政宗)「はっ!」



(信長)「三成は場所がわかったときのための策を練れ」



(三成)「かしこまりました」




(信長)「光秀は敵の情報を洗いざらい探れ、どんな手を使っても構わん」



(光秀)「はっ!」




信長に指示された武将達は各任務にあたるのだった。












秀吉、家康、政宗、三成、光秀、信長side




(秀吉)「せっかく、あいつの笑顔が増えてきたっていうのに」



(政宗)「あの、頼人っていう奴のせいで」



(家康)「また、笑顔が減った……このままじや、さくらが自害を考えるのも……」



(秀吉)「時間の問題だ……」



(政宗)「手遅れになる前に場所を突き止めるぞ」



政宗の言葉に秀吉と家康は強く頷く。



"政宗みたいな信念好きだよ!真っ直ぐで安心する"



(政宗)(さくら、お前のことはなにがなんでも助ける……俺の料理を食って幸せな顔を見せてくれ)






"私は秀吉のこと信じてるしみんなのことも信じてる!"



"信じてくれてありがとう!秀吉お兄ちゃん"



(秀吉)(さくら、俺もお前を信じてる
だから、無事でいてくれ
帰ったらお前の兄として存分に甘やかす)




"家康と信長様達に会えたから
私は生きることを選べた"



"だから、ありがとう!"



(家康)(さくら、あんたの呑気な顔のためなら俺は何だってできる
だから、死なないでよ……)




秀吉達はさくらが言っていたことを思い出しながら任務を続けるのだった。







そして、単独行動で敵の情報を探している光秀は……



頼人の幹部と思われしき、人物と会話をしていた。




(光秀)「ほぅ……この俺が易々とお前を逃がすと思うか?」


光秀は頼人の幹部に銃を向ける。



(幹部)「ひっ!許してくれ!」



(光秀)「お前の大将が拐ったのは信長様のお気に入りで、安土城の光となる女だぞ?
さあ、居場所がどこか吐け!」




(幹部)「こ、ここから数距離離れた小屋にいる、頼人様はあの女を完全なる巫女に仕上げる!助けられるのも時間の問題だな」



バーンッ!!




(幹部)「ぐわぁ!!」




光秀はその男に銃を放つ。
だが、急所は外れ、男はあまりの痛さに
もがき苦しむ。




(光秀)「こやつを捕らえろ!」



すると、光秀の部下達は幹部の男を捕らえ安土城の牢屋に向かった。



(光秀)「織田軍を舐めてもらっては困る」



"光秀さんはね、影で皆を支えたい、信長様達を敵に回しても自分の成したいことを遂行するそんな思いが伝わってきた"



"大丈夫!怒られるときは私も一緒だよ!"



(光秀)(さくら、俺は己の義を持って
お前を救い出す、例え、秀吉達を敵に回しても……な)



光秀はそう強く誓い、踵を安土城へと返す。







一方、安土城では……



三成の御殿



さくらを見つけた後の作戦を練っていた。



"三成くんはみんなを正しい方向に
導く、光のような存在、道しるべだね"



"戦術を練って織田軍を勝利をへと導く、三成くんらしいね!"




(三成)(さくら様、私の戦術で皆さんを勝利へと導きます!それまで無事でいてください!)



三成は強い思いを胸に抱き、作戦を寝るのだった。








そして、天守では……



信長が春日山城に文を書いていた。




"私は織田軍のみんなを信じています"




"一番信頼できるのは貴方だと思っています"




お休みなさい、強くて、優しくて、慈悲のある第六天魔王さん"



"帰ったらみんなでお花見がしたいです……織田軍と武田上杉軍のみんなで……"



"必ず、助けに来て……"



(信長)(必ず助けに行く、だからそのときまで耐えろ!貴様を失うわけにはいかん
そして、帰った暁には約束通り織田軍と武田上杉軍で花見をする、だから待っていろ!)



信長はそう思いながら、書き終えた文をふくろうの雫に付け春日山城に放ったのだった。

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