第43話

彩香の願い
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2021/03/30 09:27











頼人からの襲撃から逃れた恭吾はさくらを車に乗せ、空港まで逃げていた。




が、その間にも頼人の手下による襲撃は止まらない。




魔法での攻撃や、黒い光玉を飛ばしてくる。




恭吾はその狙撃を避けるのに精一杯だった。




(恭吾)「安心してくれ、お前は俺が守ってやるから」




恭吾はさくらに微笑みを向ける。





空港に着くと、恭吾は人混みに紛れ見えなくなった。

手下達も見失ったのか、


頼人のもとに引き返すのだった。



だか、恭吾の体は手下による狙撃で
ボロボロだった。




(さくら)「あうー、ぱーぱ?」




幼いさくらは父親の恭吾をあどけない表情で見つめる。



(恭吾)「すまない……さくら
一緒にいてやれなくて、愛してるよ」




チュッ




恭吾はさくらの頬に触れるだけのキスをする。




(恭吾)「お前をママの知り合いのところへ連れていく」





恭吾は持ってきたお金で海外行きの飛行機に乗り、日本を離れた。





飛行機は二人を乗せ、アメリカに向かった。







一方、頼人と対戦中の彩香は……





ガキンッ!!



キンキンッ!!



ガキンッ!!






(彩香)「はぁ……はぁ……」





(頼人)「どうした、その程度か?
巫女の力は……」




(彩香)「はぁ……はぁ……くっ!」




彩香の力はもう限界だった。




(頼人)「そろそろお遊びも終わりにしよう」





頼人は自身の剣を構え直し、黒い光線を彩香を放つ。



さくらはそれを自身の結界で防ごうとするが……




(彩香)「くっ……!」




頼人の力か強いのか、押し返されてしまう。





ピキッ!


ピキッ!ピキッ!





防げきれずに結界ににひびが入っていく。




そして……





パリーンッ!!





(彩香)「あぁぁぁ!!」




結界は割れてしまい、彩香は光線にまともに受け遠くに飛ばされてしまう。




そして、その光線は消えることなく
彩香に襲いかかり巫女の力を奪っていく。





(彩香)「あぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!」





彩香は全ての力を奪われ、その場に倒れ
帰らぬ人となってしまった。



彩香 “恭吾さん、さくら……ごめんなさい
さくら……幸せになるのよ“





そのとき、彩香の思いだけが光となって
空高く放たれ、消えてしまった。





消えてしまった光にはそんな思いが込められていた。


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