(さくら)『え、戦……ですか?』
軍議に呼ばれていたさくらは信長から近々大きな戦があると告げられる。
(信長)「ああ、此度の戦に貴様も連れていくが異論はないな?」
(さくら)『もちろん、ありません』
(信長)「ならば良し」
(政宗)「もしかしたら、さくらの力とやらを狙ってるやつにも会えるかもな……腕が鳴るぜ!!」
(さくら)(私の……力を)
(信長)「軍議は以上だ……
各々準備を怠るな……」
(信長以外)「はっ!!」
(家康)「あんたなら、大丈夫だよ」
(さくら)『家康……』
(三成)『さくら様、信長様が後で天守にと』
(さくら)『ありがとう、家康、三成くん
行ってくるね』
さくらはそう言うと店主に向かった。
(家康)(ああは言ってたけど……内心はそうじゃないかもね)
(三成)(なんにしても、私たちはさくらをお守りする……傷つかないように)
家康と三成は心の中でそう思うのであった。
一方、さくらは天守の前まで来ていた。
(さくら)『信長様、さくらです』
(信長)「入れ」
襖を開け天守のなかに入る。
(さくら)『なにか用でしょうか』
(信長)「秀吉達に貴様の持っている石のことを話した」
(さくら)『!?そうでしたか……』
(信長)「あのときの戦いは見事だった」
(さくら)『そんな、あなたの力があってこそですよ……』
(信長)「そうか、して、俺の力は感じられるものなのか?」
(さくら)『はい、燃え盛る炎のように熱く鮮やかな緋色で安心できる力……あのとき貴方の力を自分に取り込んだ際にそう思いました』
(信長)「炎……か、悪くない」
そのとき……
(秀吉)「信長様、出陣の準備ができました」
(信長)「あぁ……さくら」
(さくら)『はい……』
(信長)「行くぞ……貴様の命、俺が預かる
側を離れるな」
(さくら)『コクッ(-_-)』
さくらは自分の刀を腰に付け、信長の手をとる。
安土城の外に行くとそこにはすでに家康や三成、光秀、政宗がいた。
(家康)「さくら、その刀……」
(さくら)『うん、信長様に貰ったの(^^)』
(家康)「ふーん、あんまり無理しないでね」
(さくら)『大丈夫!ありがとう』
(信長)「さくら、俺の馬に乗れ」
(さくら)『はい……信長様』
さくらは頷き信長の手を掴み馬に乗る。
(信長)「貴様ら、いよいよ戦が始まる
だが、命を落として見ろ、許さんぞ……
必ず生きてこの安土を踏みしめろ」
(家臣達)「おぉぉぉぉぉぉ!!」
家臣達の士気が上がり、織田軍は戦場に行くのだった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。