第2話

目を覚まさない
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2022/06/15 13:11
『え…?』
『ジャミル先輩が目を覚まさなくなった…?』
「えぇ、昨日からずっと」
『昨日からずっとって…カリム先輩は?』
「アジームくんにはバイパーくんがいつ起きてもいいように介護を任せています」
昨日からずっと目を覚まさない、?
そんな事可能なの?
『…それで、私に調査をして欲しいんですね?』
「さすが監督生さん!話が早くて助かります!」
「今までのような小さな事故ならまだしも、生徒が目を覚まさないなどというのであれば、どうしても私も加わらなければなりません」
「ですが、私には学園長としての仕事もあります」
「というか、どうしても分からないのです」
『分からない…?』
『それは、目を覚まさない理由が…という事ですか?』
「はい、今まで調べて分かったのはバイパーくんは“夢に閉じこもっている状態”という事だけです」
『夢に閉じこもっている状態…?』
「簡単に説明すると、自分では夢から出られないという事ですね」
「夢というのは本来、現実がもつ確かさがない事…つまり見分けが着きません」
『つまりジャミル先輩は幸せな夢を見ていて、戻りたくないという意思が強いって事ですか?』
「それもあるのでしょうが…」
「とにかく、今はバイパーくんを目覚めさせる事が最優先です」
『分かりました』
「…ところで、グリムくんは?」
『クルーウェル先生の授業でやらかして補習中です』
「…」

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