グループごとの練習が始まった 。
リーダーとセンターは柾哉くんに決まった 。
そして練習もスタートした 。
『 …… 』
やっぱり前から思っていたけど 、
私って結構人見知りなのかな … 。
話しかけることなんて出来ないくせに 、
会話をもちかけられても素っ気なくなっちゃう 。
ステージとかでは緊張しないんだけどな …
現にまだ藤牧さんと話したことはない 。
それに洸人さんや柾哉くんとも …
チームになってまだしっかりと話せていない 。
よく考えれば 、私は無理矢理入ったようなものだ
さっき 、水を買いに自販機に行った 。
部屋に戻ろうとドアノブに手をかけたとき 、
六人の楽しそうな笑い声が聞こえた 。
私ってやっぱり必要ないんだよ 。
そう考えると嫌になってくる 。
木村「 あなたちゃん 、ちょっと話す? 」
『 …… え … 』
練習終わりに柾哉くんに声をかけられた 。
… 私顔に出てたのかも 、
はぁ … 本当ダメダメだ 。
『 いや … 大丈夫ですよ !! 』
木村「 ずっと辛そうな顔してるよ? 」
『 気のせいですよ 。私なんかのために時間使わないで 、自分を気にしてください 。リーダーにセンターって … 経験したことないので分からないんですけどきっと相当重荷だと思います 。私のことは大丈夫なので 、自分の時間大切にしてください 。 』
木村「 ……… 」
確かに逃げるための嘘かもしれない 、これは 。
でもそうじゃない 。
本当に柾哉くんの方が辛そうだった 。
『 ……… 』
それに 、練習になってから気づいた 。
私のダンスって魅力ないなぁって 。
西「 あなたさーんっ 。 」
『 …… 洸人さん 、お疲れ様です 。 』
西「 練習終わってもう一時間経つよ? 」
『 …… えっ 、 』
確かに時計は9時を指していた 。
練習は8時に終わった 。
そんなに時間経ってたなんて … 。
西「 時間が分からなくなるほどってかなりだよ 。あなたは優しくて柾哉のことを思って話し合い断ったのかもしれないけど 、練習初日の昨日から柾哉はずっとあなたのこと気にかけてたんだよ 。 」
『 …… え …………… ? 』
意外な言葉に吃驚する 。
西「 柾哉ね 、" あなたちゃんはこのグループに馴染めてない気がするし 、俺らがもっとコミニュケーション取るべきだと思う 。きっと本人は唯一の女子練習生ってこともシークレット練習生ってことも気にしてるんだと思う 。きっと辛いと思う 。本当に俺らのグループに入りたかったとかは本人にしか分からないけど俺はあなたちゃんから"孤独"を感じるし 、練習する時も休憩する時も笑顔見せないし 、いつも一人でいる 。もっと仲良くなって話を聞きたい " って俺の言ってたの 。 」
『 … 嘘 …… 柾哉 、くん … 』
西「 アイツもアイツなりの優しさだと思うし 、明日でいいから本音を話して欲しい 。もちろん柾哉だけじゃなくて俺ら6人に 。 」
『 …… 』
西「 … だってチームじゃん 。グループだよ?最終的には2組に勝たなきゃいけないし 、そのためには家族みたいに仲良くできなきゃ 。俺は … 7人で悲しみも苦しみも分かち合いたい 。 」
洸人さん 、……
『 …… ごめんなさい 。 』
西「 謝らなくていいよ!謝るべきは俺らだし … 」
『 それは絶対ないです !! 今だって私の気持ちすっごい楽になりましたし 、洸人さんいてくれて良かったです 。 』
西「 ……… なんか照れるなぁ?笑 」
『 それは自意識過剰ですよ? 』
西「 おっと〜 !俺5歳上だぞ? 」
『 … ふは笑 』
洸人さんに言われて 、
今日初めて笑った 。
明日 、ちゃんと話さなきゃ 。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。