第8話

ろく
10,217
2021/04/25 06:47
それから親は、毎日怯えるみたいに過ごすようになった。

最初はその理由が全然わからなかったけど、元々知り合いだった五条さんが教えてくれた。



うちの親は、本家に私のことが伝わらないよう、頑張って隠していたらしい。


決して目立たないように。

不自然さが無いように。


だって、バレたら私は、本家に連れていかれてしまうもの。


親は意地でも私を手放したくなかった。


それを聞いた時は、そりゃ凄く泣いたなぁ。


でももうそれも時間の問題。


きっと数ヵ月後には、私は加茂家の本家になっているはず。


加茂あなた。



なんて不穏な響きだろう。

でも、それは仕方の無いこと。

心の中で割り切ってる。

だから、この一瞬一瞬を大事にする。

自由な今を。


正直言って、高専に入った時点でゲームオーバー。


バレるに決まってた。


親にも散々反対されたけど、別に良かった。



親が…お父さんやお母さんが、あんな風にこれからも生きていくより、ずっとマシだ。
あなた
くっ…赤燐躍動!!
私は自分の血の巡りを良くし、スピードを速める。

あのドロドロが体に付いて、動きにくい。



でも、ここで負ける訳にはいかないんだ。

そう。精神を統一しろ。

あの核とみられる部分目掛けて。
あなた
百斂ーーー
その呪霊は祓われた。

面倒なので、とりあえず五条さんに電話をしておこう。
あなた
もしもし。五条さん
五条悟
五条悟
お、あなた〜!久しぶり!で、どうしたの?
あなた
えと…今呪霊見つけて、おそらく2級程度なんですけど…
五条悟
五条悟
あ、もう祓っちゃったかんじ?
あなた
はい
五条悟
五条悟
おっけー!場所だけ送っといて!伊地知に向かわせるから。
あなた
ありがとうございます!
五条悟
五条悟
あなたこれから学校でしょ。若人から青春を取り上げるのは、許されていないからね。
あなた
何人たりとも
五条悟
五条悟
何人たりとも
あなた
…ですよね
五条悟
五条悟
ふふっ、じゃ、学校頑張って
何かあったら直ぐに言うんだよ
あなた
はーい
あなた
…行きますか
私は学校へと向かった

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