さて。
この話はめぐみんには聞かれたら困るので、私は一旦外に出て屋根の上に登った。
そこにポンっと座り込み、携帯を取り出す。
LINE画面を開き、五条さんのアイコンをタップすると、そっと通話ボタンを押した。
すると、ワンコール目で聞き覚えのある声が聞こえてくる。
あぁ、落ち着くなぁ
このおどけた感じも悪くない。
でも、このままノっていたら日が昇ってきてしまう。
どうやら、この一言で伝わったようだった。
これだからこの人は憎めない。
次の瞬間、すぐ隣に人間の気配がした。
反射で瞬時にそちらを向くと、そこにはさっきまで話していたアホ面がいた(((
私は立ち上がって、彼の腕を掴んだ
次の瞬間、目の前に拡がっていたのは五条さんの自室だった。
五条さんは私をソファに座らせると、ホットミルクを私の前の机にそっと置いてくれた。
いつもなら「こんなことできたんですね」とかイジるけど、今日はそんな気分にはなれない。
恐らく、それは五条さんも察しているのだろう
五条さんは向かいのソファに座ると、手に持っていた激甘コーヒーを啜った。
私も、五条さんがいれてくれたホットミルクを堪能する。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。