「…う……お嬢………お嬢」
あなた『・・・ん、、蓮輝、、、?』
蓮輝「はい、私です」
あなた『ケホッ』
蓮輝「喉痛いですよね。飲み物と薬、食べやすいゼリー持ってきました」
あなた『ありがと』
蓮輝「体調はどうですか?喉の調子や頭痛などは」
あなた『ン"ン"っ、あ"、、あー、、、喉はなんか血が張り付いてるみたいな感じかも。頭痛とかも他に何も無い』
蓮輝「久しぶりに喀血してましたからね」
あなた『喀血より普通に嘔吐する方がマシなんだけど……』
蓮輝「確かにそうかもしれませんね」
あなた『・・・そういえば彼奴らどうなった』
蓮輝「彼奴らってバレー部の皆さんのことですか?」
あなた『うん』
蓮輝「モブは特に何も言ってなかったと言ってました」
あなた『だろうね』
蓮輝「また、当主の判断により転校予定日が予定より早くなりました」
あなた『判断ってなんで?』
蓮輝「今回の出来事を隠す訳にもいかないとこちらの独断で報告させて頂きました。失礼をお許しください」
あなた『いいよ、私もいずれ言うつもりだったから』
蓮輝「そうだったのですね」
あなた『この話おじいちゃんにしてどうだった?』
蓮輝「カチコミだ、と何を言っても聞いていただけなくて止めるのがとても大変でした」
あなた『なんかごめん』
蓮輝「いえ、報告したのは我々なので」
あなた『どうやってあのおじいちゃんを止めたの?』
蓮輝「網斗が得意の説得をしました」
あなた『あぁ、、、』
蓮輝「話を戻させていただきますが、転校日程などを考えたところ─────────」
あなた『・・・わかった。ありがとう』
蓮輝「いえ。では、私は失礼します。薬を飲んで確りとお休み下さい」
あなた『ん、』
夏休み
稲荷崎高校男子バレー部
夏の合宿
黒須「2学期から転校してくる子が、今日の合宿からウチの新しいマネージャーとして入部することになった」
宮侑「・・・はぁぁぁぁ!?!?監督何言ってん!?」
宮治「こんなIH控えた大事なタイミングの合宿からて……」
宮侑「北さんもなんか言ってくださいよ!」
北「俺はもうそいつと会った。マネージャー経験もあって部員目的でなくちゃんと支えてくれるええ奴や」
宮侑「なっ!」
赤木「信介まで珍しいな」
宮侑「稲荷崎のマネージャーはあなたです!新しいマネージャーなんていりません!」
宮治「準備や片付けならウチは部員多いんですから困っとらへんやないですか」
黒須「そういうのは色々やってから判断しぃ」
宮侑「なっ!!」
尾白「とりあえず落ち着きや」
宮侑「アランくんも賛成しとんか!?」
尾白「そういうわけやなくてな」
宮侑「せやったら止めんでや!!」
北「侑一旦落ち着きや。治も角名も」
角名「いやいや納得いかないっすよ」
北「こんな急やったらな」
宮侑「急やなくても俺は認めません。何度でも言います。稲荷崎のマネージャーはあなたです」
北「でも、もう転校してまったやろ。例え本人も周りも望んでなかったとしても家の都合上しゃーないことやったろ」
宮侑「しゃーないにしても!!」
黒須「侑。とりあえず会ってみぃや」
宮侑「嫌や!!」
北「ええから」
ガラッ
「失礼します」
「東京から稲荷崎高校に転校してきました」
あなた『2年の槎橋あなたです。よろしくお願いします』
ガクッ
宮侑「今俺幻覚見えとるん?誰でもええから俺の事引っぱたいてや」
宮治「同じ幻覚見えとるかもせぇへん」
角名「俺もだわ」
北「しっかりしとるマネージャーや。ええやろ」
「「「「「「めっちゃええ…」」」」」」
宮治「なんで教えてくれなかったん?」
あなた『こういうのやってみたかったんよ』
宮侑「そんなん許す」
あなた『また、稲荷崎高校でマネージャーできて嬉しいです、改めてよろしくお願いします』
角名「あー、好き。その笑顔めっちゃ好き」
あなた『知ってる』
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!