第10話

晴れ、再予感、決断。
93
2018/06/11 10:52
( どういうことなのこれは )
鈴峰 倫也
鈴峰 倫也
…ごめん
( あなたが謝ることじゃないでしょう。
…あら、ミコトさんやっと来た )
鈴峰 倫也
鈴峰 倫也
ミコト…
水沢 ミコト
水沢 ミコト
失礼します…
( この写真、どういうことか
説明してもらおうかしら? )
水沢 ミコト
水沢 ミコト
……と、友達と
ご飯に行っただけで
( あら、そう……
そういう関係にはない、という事で? )
水沢 ミコト
水沢 ミコト
はい、絶対に
絶対にないです
そ、それに私は
と、倫也くんが好きなので
本当にないです…
( …それならわかったわ
帰って結構よ )
水沢 ミコト
水沢 ミコト
お騒がせして
すみませんでした…
鈴峰 倫也
鈴峰 倫也
ミコト、送ってくよ
水沢 ミコト
水沢 ミコト
いや、大丈夫
寄るところあるし…
本当にごめんね、ありがとう
鈴峰 倫也
鈴峰 倫也
そっか…
寄るところなんてなかった。

倫也くんに
これ以上合わせる顔がなかった。

長谷川くんにも、会いたくない。

鈴峰家から出て
一人で帰った。
鈴峰 倫也
鈴峰 倫也
ミコト…!
水沢 ミコト
水沢 ミコト
えっ、倫也くん?
鈴峰 倫也
鈴峰 倫也
ミコトと二人で話そって
思って来ちゃった
水沢 ミコト
水沢 ミコト
そ、そっか、
ごめんね、本当に
鈴峰 倫也
鈴峰 倫也
ミコトのこと、
僕が一番信じてるから。
なにがあってもまた、
僕のところに
戻ってきてくれかな?
水沢 ミコト
水沢 ミコト
えっ…?
ゆっくりと、そう言って
私の正面に立って
手を取った。
水沢 ミコト
水沢 ミコト
……
私もゆっくり、小さく頷いた。
鈴峰 倫也
鈴峰 倫也
あっ、さっきミコト
それに私は倫也くんが好き
って言ったでしょ。
目にも耳にも心にも
焼き付けておいた
フフッ、と笑ってそう言った。

恥ずかしかった、いつも
恥ずかしいのに、
その言葉は咄嗟に出ていた。

少しムッとした顔をして、笑いあった。
でも事件はまだ、終わっていなかった。

______________________
次の日の朝、
私が登校してくると、
みんながそわそわして
目をそらしてきた。
水沢 ミコト
水沢 ミコト
……?
私を見つめる人々の目や顔から
不信感が溢れていた。
霧賀 漣
霧賀 漣
ミコト!
ちょっとこっち来い
水沢 ミコト
水沢 ミコト
えっ…!
漣に腕を取られて
波花のカウンセリングルームに
入った。
水沢 ミコト
水沢 ミコト
どうしたの?
永崎 蒼
永崎 蒼
ミコト、大変なことになった
水沢 ミコト
水沢 ミコト
え?
霧賀 漣
霧賀 漣
学校中があの噂で
溢れてるのは知ってるよね?
水沢 ミコト
水沢 ミコト
うん、ごめんね…
霧賀 漣
霧賀 漣
そのことが、校長にまで
知られてしまった
水沢 ミコト
水沢 ミコト
えっ、それは…
永崎 蒼
永崎 蒼
ミコトがここから
出ていかなきゃならなくなるね
水沢 ミコト
水沢 ミコト
えーっと、嫌だ
え、どうしよどうしよ
永崎 蒼
永崎 蒼
んー、こうなったら
方法は一つしかない
水沢 ミコト
水沢 ミコト
え、なに!
永崎 蒼
永崎 蒼
鈴峰倫也との婚約を
解消することだ
水沢 ミコト
水沢 ミコト
……
この学校を
出ていくことはできない。

私の父親の会社が
世出始めた理由は、この学校の
おかけだからだ。

かの有名な蘭ノ園学院の
制服が変わる。
そこでデザインを任されたのが
私の父、水沢アパレルだった。


お父さんのきっかけになった
この学校、この制服は手放さない。
水沢 ミコト
水沢 ミコト
無理…
霧賀 漣
霧賀 漣
ミコト、方法がないんだ
早めに決断しないと、
本当に出ていくことになるよ
水沢 ミコト
水沢 ミコト
……そっか
倫也くんと、離れたくない。

絶対に、一緒にいたい。

本人に言えたことはない。

でも、一緒にいたい。
水沢 ミコト
水沢 ミコト
よーく考えてくる
永崎 蒼
永崎 蒼
くれぐれも冷静にな
私は大きな決断を、
自分で下さなければならなくなった。

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