うそ…ジョングクはあの人だったの…
あぁいろんなことを知りすぎて頭が痛い。
帰りたい、、あ、鞄机の横だ。
教室の入口でもたもたしていると、今私の事を悩ませている原因の【ジョングク】から声をかけられた。
『なぁ、お前俺の隣の席だったんだね』
「え?あ、そう…ですね」
「あなたがジョングクだったんだ…想像と全然違う、」
『俺の名前知ってんの?てか想像と違うってなに。』
あ、やばい。絵に想像のジョングクを描いてたなんて言えないのに。
言葉を選ぶのに時間がかかっていると、
『あぁ想像の俺ってもしかしてこれのこと?』
そう言うジョングクの手の中にあるのは私がいつもジョングクを描いていたスケッチブックがある。
なんで机に置きっぱなしにしたのよ私…
「えーっと、あの、まぁ、」
『この中にいるのがお前の想像する俺?』
「そうです…」
私が認めると、ジョングクはスケッチブックをめくりだした。
私見ていいなんて一言も言ってないんだが。
慌てて止めに行くと、
『お前さ絵上手いじゃん。まぁここに描かれてんの全然俺じゃねぇけど。』
もしかして褒められたの…?
この人人のこと褒めるんだ。びっくりだよ。
『そーいや、なんで屋上来なくなったの?』
あ、そうだよ。私あれから全然屋上行ってないんだ。
ジョングクの正体で頭がいっぱいで…
てかそもそもジョングクが原因なんだけどな。
「あんな事聞いてしまったら顔合わせれないですよ。」
『あんな事ってどんな事だよ』
「あと2年しか生きれないって…」
『あぁ、それか。』
「それかって…」
『あんま深く考えんなよ。それよりさ、屋上、来なよ。』
「え、、?」
『俺さあと2年しか生きれないから友達とか仲間とかそんなのいらねぇって思ってた』
あ、だから教室に来なかったのか。
『でも屋上でお前に会って、話し相手がいるのも悪くねぇなって。』
私を話し相手にしてくれるんだ。
今まで誰かに必要にされたり、話しかけてもらったりしたことの無い私からすると嬉しかった。
『だからさ、屋上に来て。』
『俺の人生で最後のトモダチになってよ。』
その言葉を聞いて嬉しいのに苦しくて涙が出そうになった。
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編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。