ドアを開けると
そこには誰も居なかった
(おかしいな……イタズラか? )
俺は首を外につき出して周りを確認した
周りは静か過ぎるくらいだ
騒いでいる人も居なければ、
酔っ払いも居ない…
ふと、自分の足元に目線を落としてみる
一気に顔が青ざめた
(なんか黒いの
足にくっ付いてたんですけどッッッ!!!!… )
俺は驚きのあまり腰を抜かしてしまった
するとその‴黒い何か‴は
猛スピードで家の中に侵入していった
(………………今、家の中に入ったよな… )
ブンブンと首を横に振る
ドアを閉め、
俺は一歩ずつゆっくりと廊下を進んで行く
__
_______
__(ドンッ)
台所の方から音がする
(何かがぶつかった音だ…… )
俺は覚悟を決め、ゆっくりと中を覗いた
(何だこいつは………)
こいつ、猫なのか…………???
にしちゃー、顔がでかすぎる気が………
目、黒点だし………
(やっぱコイツ顔でかいんだけど///////)
そいつは俺の方へトコトコ歩いて来る
え?え?何?
(…可愛らしい見た目してんのに、
声こわくないですか?………………)
(やべー//////、俺頭おかしくなった////?
しかもこいつヤクザ口調だし…)
俺は作り置きしていたおかずを冷蔵庫から出す
そいつはクンクンと匂いを嗅ぐと、
美味しそうに食べ始めた
俺、…………何やってんだろ……
目をキラキラ輝かせている
さっきとは打って変わって
可愛らしい口調、声になっていた
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。