第9話

過去STORY
439
2019/03/31 13:24
あなたsideーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
物心がついたときには、お父さんとお母さんは毎日喧嘩していた。

アメリカ、ニューヨーク生まれ。

お母さんはアメリカ人、お父さんは韓国人。

上には一人のオッパがいて、二人兄妹だった。

賭け事が大好きなお母さんは、毎日カジノで遊んでいた。

お酒が大好きなお父さんは、毎日お酒を飲んでいた。

私と3歳離れたオッパは、私を育てた親とも言えた。

小学校1年生では、食事作りや皿洗い、洗濯物などを完璧に覚えた。

お父さんやお母さんは、仕事はしっかりとやっていた。

それを使って生活出来るようにしていたのは私とオッパ。
お母さん
もうやめてよ!
こっちだって頑張って働いてるの!
なんでこんなに悪い点数ばかりとって怒らせるの?
お父さん
母さんの言うとおりだぞ。
オッパを叱るときだけは意気投合する両親。

オッパのテストの点数が低いのは、私を育てるために勉強時間を減らしているから。

それなのに、私を育てることもしない両親はオッパを殴った。

大好きなオッパを殴る両親が、私は許せなかった。
あなた

オッパ、大丈夫?

そう聞くとオッパはいつもこう答えた。

"心配するな、お前は俺が守るから。"

大丈夫っていうのは、オッパが大丈夫か聞く意味だったのに。

小学校6年生。中学3年生だったオッパは、ストレスのためか、ヤンキーになった。

私が支えなきゃ。そう思って、必死に家事をこなした。

周りの大人や親族たちは、そんな私を見て言った。

"しっかりしてるね。"

助けの手も差し伸べてくれないくせに、何を言っているんだ。

そう思いながらも、笑顔でお礼を言う私。

いつの間にか、私はその言葉が大嫌いになっていた。

そして、オッパの後を追うように、ヤンキーとなった。

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