僕の過去はそんなに悪くない。
なんか複雑なの期待した人ごめんね?
ただ、みんなに隠していたことがあったから。
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僕の家はいたって普通。
お母さんとお父さんとヌナがいて、普通に暮らしていた。
テストで点が伸びないこともあったけど、お父さんとお母さんは
「次は何点くらいあげようね。」ってそれくらいだった。
ヌナも頭がいいから、勉強をたくさん教えてくれた。
本当に普通の家族でしょ?むしろ優しい家族だと思う。
かなり昔の話になるな。
ある日、僕はナムと遊びに行った。
冬だったから結構暗くなって、帰り道を照らすのは街灯くらいだった。
もう少しで家につくってときに、道端で喧嘩している人を見た。
その頃はまだ小学校高学年くらいだった。
高校生と思われる人たちが喧嘩してる。
喧嘩はもともと好きじゃなかったから、小学生とか関係なく止めに入った。
その男が率いる集団は帰っていった。
暗くてよく分からなかったが、喧嘩の相手は女子みたいだ。
きっと女子たちに悪いところはないのだろう。
顔に傷を作っていたから、ポケットから絆創膏を取り出して渡した。
そう言って颯爽と帰っていく彼女たちの後ろ姿が、
当時の僕にはかっこよく見えたんだよね。
それから家に帰って柔道したいって母さんに言ったんだ。
案の定、困った顔をされた。
親を困らせることはしたくないし、
両親が大切だったから、無理強いもしたくなかった。
編集部コメント
主人公は鈍感で口下手ではあるものの『コミュ障』というほどではないので、キャラの作り込みに関しては一考の余地があるものの、楽曲テーマ、オーディオドラマ前提、登場人物の数などの制約が多いコンテストにおいて、条件内できちんと可愛らしくまとまっているお話でした!<br />転校生、幼馴染、親友といった王道ポジションのキャラたちがストーリーの中でそれぞれの役割を果たし、ハッピーな読後感に仕上がっています。