第4話

隣の席
500
2019/03/31 07:44
ホソク(ホビ)
ホソク(ホビ)
あ、僕ホソクね。
あなたちゃんよろしく!
あなた

ホソク君?
よろしくお願いします。

緊張しているのか、表情が硬いあなたちゃん。

話が終わるとすぐに、下を向いてしまった。
先生
授業始めるぞ〜。
先生の言葉に、みんながダラダラと教科書をだす。
ホソク(ホビ)
ホソク(ホビ)
あ、教科書……。
あなた

大丈夫です。
用意してあります。

嘘でしょ……この子しっかりしすぎてて怖い。

いや、作者も書きたかったんじゃない?

教科書見せるために机くっつけるみたいなの。
ホソク(ホビ)
ホソク(ホビ)
そ、そっか。
あなた

はい。

授業でも、あなたちゃんはしっかりしていた。

自分から手を挙げることはないけれど、当てられたらすぐに答える。

近くの席の人が消しゴムを落としたら、無言で拾って渡す。

僕はまるで、ロボットを見ているかのようだった。

あなたちゃんがロボットに見えたのは、行動だけではなかった。

笑うこともなく、明るくなることもない表情。

たまに外を見つめる、光のない真っ黒な目。
ホソク(ホビ)
ホソク(ホビ)
あなたちゃん、ペン落ちてた。
あなた

あ、ありがとうございます……。

人間らしさが見えるのは、話したときに見える表情だけだった。

オドオドして、緊張した話し方。






それでも僕には、あなたちゃんが誰よりも魅力的に見えた。

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