バスケ部ほとんどが、私とオッパに襲いかかってきた。
別に強くもなんともないけど、数が多いせいか、いつもより動きにくい。
私が目の前に集中していると、後ろから鉄パイプで殴りかかってきた奴がいた。
どんどん襲いかかってくる大人数に集中していた私は、それに気が付かなかった。
頭に鉄パイプが当たり、血が流れる。
それでも目の前の敵に集中した。
もう一度パイプで殴られる危険性があるのも分かっている。
ただ、ここで振り向いたら大人数にやられることも分かっている。
パイプを振り上げる音がしたその時だった。
オッパの目つきが変わった。
私の周りにいた敵を、次々に倒すオッパ。
オッパ側にいた敵は、もう誰一人残ってなかった。
私が指をさした方向には、3年生と思われる人たちが残っていた。
たったの6人ほどだが、3年生となると簡単にはいかないはず。
その中には呑気に飴をなめている、ジョングクとか言うやつもいた。
意識のある人たち全員が、声のする方に顔を向けた。
それまで女子と話していたミファさんもビックリの人物は……。
そう言って頭を撫でてくれるのは変わっていなかった。
けれど、いつものニコニコした優しい目ではなかった。
編集部コメント
引きこもりのおじさんと真面目な女子高生という組み合わせがユニーク。コンテストテーマである「タイムカプセル」が、世代の違う二人をつなぎ、物語を進めるアイテムとして存在感を発揮しています。<br />登場人物が自分の過去と向き合い、未来に向かって成長していく過程が丁寧な構成で描かれていました。