第3話

3時限目
935
2019/10/02 16:29
あなたside



登校中

私はバスケのキーホルダーを片手で顔の前に持つ。

そしてニヤける。

穂希
あなた…?笑
わたし
な、何!?//
穂希
そんなに気に入ったの?笑
わたし
ま、まぁ
わたし
ほら、穂希だって彼氏から貰ったもの嬉しくないの?
穂希
嬉しいけど…

穂希は現在彼氏がいます。

でも最近仲が悪くなってきたみたいで…

前まではバカップルぐらいの仲の良さだったのに


わたし
まぁ…今の穂希に聞いちゃ悪いか
穂希
それどーいうこと?
わたし
穂希なら絶対仲直りできるよ!
穂希
慰めてくれてんのかディスってんのか…
わたし
あ、先輩にお礼しないと!
穂希
急に先輩の話?笑
わたし
どうしよ…お礼を言うだけでもいいかな…?
穂希
いいんじゃない?
わたし
よし、昼休憩の時なら先輩絶対に保健室にいるから行ってみるね!
穂希
あ、今日?
わたし
もちろん!
穂希
がんば〜

私はキーホルダーを制服のポケットに突っ込み、学校へ向かって走った。

穂希
え、急に走んないでよ!
わたし
あ、穂希はゆっくり歩いて来な!

振り向いて穂希に手を振る。

そしてもう一度走り出す。

穂希
もうあなたったら…思い立ったらすぐ行動しちゃうんだから…笑












学校に着いた私は

保健室を覗いてみた。


さすがに朝練で怪我して来ないかなって思って中に入ったけど…

やっぱり朝はいないんだね。

朝から走るってきついなぁ〜

ちょっとベッドで横になろ。



横になると眠くなることをわかってて

朝から学校で寝た。


保健室ってやっぱり落ち着く〜…


その時、夢なのか…現実なのか…

誰かの声が聞こえたんだ。


紫耀
紫耀
…い…せー…
紫耀
紫耀
誰か……せ…か?

どんどんその声が大きく聞こえて

とうとう私の目の前にいるんじゃないかってぐらい

近く感じた時だった。


ベッドのカーテンがサッと音を立て開く。

その音にゆっくり目を開けた。


紫耀
紫耀
あれっ!?
わたし
え…

私は一瞬心臓が止まった。

そして心臓が飛び出そうなぐらい音が高鳴った。

私の身体が全身が一気に熱くなる。
わたし
せっ…
わたし
先輩っ!?////
紫耀
紫耀
ごっ、ごめん!//

先輩は何も見てないからというように

私に背を向けた。

わたし
な…なんで…
紫耀
紫耀
先生!探してて!
紫耀
紫耀
ほんとに悪気はないんだ!
わたし
平野先輩…

私は飛び起きて、髪を手ぐしで直し、

ベッドから離れ、

救急箱を取り出した。



保健室はいつも来てるし、先生がいない時はだいたい私が治療してるんだ。


紫耀
紫耀
え、できるの?
わたし
は、はい。先生がいない時は…
紫耀
紫耀
そうなんだ
わたし
あ、その椅子に座ってください…//
紫耀
紫耀
はい…

すごく緊張して平野先輩の顔なんか見ることできなくて

ただガーゼや消毒液に集中するしかなかった。

わたし
し、しみますよ…

そっと先輩の腕を触る。


こんなに筋肉質なんだなって思うと

余計に緊張して手が震える。

紫耀
紫耀
大丈夫…?
わたし
ご、ごめんなさい!大丈夫です


緊張して無駄な力が入り、先輩の傷へ消毒液がしみたガーゼを押し当てた。

紫耀
紫耀
いっ、たっ!?
わたし
ごっごめんなさいっ!

慌ててガーゼを離し、濡れてないガーゼを傷口に当てた。

紫耀
紫耀
い…ったい…
わたし
ほんとにごめんなさい…

今にも泣きそうになるくらいまで

涙がすぐそこに来てる。


それでも先輩は自分でやるからいいって言わなかった。





私はガーゼをテープではった。
わたし
終わりました…
紫耀
紫耀
ありがとう笑
わたし
すみません…時間かかってしまって…
紫耀
紫耀
そんな落ち込むことじゃないよ笑
紫耀
紫耀
痛くない傷口なんかないし?笑
わたし
紫耀
紫耀
ほら笑
元気だして!笑

平野先輩は私の方をポンポンと優しく叩いた。

紫耀
紫耀
あ、そうだ。これ…

平野先輩は何かを思いついたように制服のズボンのポケットから何かを取りだし、差し出してきた。

わたし
あっ!?
私は制服のポケットの中を慌てて探る。
紫耀
紫耀
落ちてたよ?笑
わたし
ありがとうございます!

平野先輩の手のひらには

バスケのキーホルダーがあった。

わたし
あ…ごめんなさい、私、大切にしてたのに落とすなんて…
紫耀
紫耀
そんな笑
紫耀
紫耀
でもこれからはもっと大切にね?
わたし
はい、ごめんなさい…
紫耀
紫耀
もう謝んなくていいよ笑
わたし
あ…ごめんなさ…
紫耀
紫耀
次謝ってきたらそのキーホルダー没収ね?笑
わたし
ごめんなさ…じゃなくて、はい!
紫耀
紫耀
笑笑

私は両手を広げると、平野先輩はその上に優しくキーホルダーを置いた。


ちょっと手が触れただけなのにドキドキする…

紫耀
紫耀
あ、君の名前なんて言うの?そーいえば聞いてなかった笑
わたし
あ、栗原あなたって言います
紫耀
紫耀
栗原あなた…覚えとく笑
わたし
はい笑
紫耀
紫耀
あ、俺は平野紫耀。先輩じゃなくて紫耀でもいいんだからね?笑
わたし
そ、そんな!気が早いですよ…
紫耀
紫耀
ほんと君おもしろい笑
紫耀
紫耀
あ、君じゃなくてあなたか笑

よ、よ、呼び捨てっ!?


急に呼び捨てされたらやばいからぁ〜っ!///
わたし
は、はぃ…///
紫耀
紫耀
可愛いなぁ笑(((ボソ
わたし
へぇっ!?//
やば、
変な声出た…
紫耀
紫耀
ううん笑
じゃあ昼休みにまた会おうね、あなた笑
わたし
は、はい、平野先輩っ!///


こんなに親しくしてくれるもんなのかな…

私、いつか平野先輩のファンに殺されたりしない?

まぁ…そんなこといくらなんでもしないか笑

にしても…仲良くなりすぎかな?

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