「あ、久しぶり。来てくれたんだ。」
”わたし”の存在に気付いた彼女は、少し嬉しそうに微笑んだ。
「もう来てくれないのかと思ってた」
前からどのくらい経ってるのかはイマイチ分からない。
きっとこれは夢だから時の流れも少し変わるんだと思った。
「前は…2ヶ月?あなた全然来てくれないんだもの、私暇で暇で仕方がなかったのよ」
ふん!と口を窄める彼女は可愛らしく、年相応の少女の様だった。
「それじゃあ、今日は幼馴染の話ね。」
――あの子達は双子でね私より年下でね、昔居た悪魔の子と同じ片目が反転目だったの。
元々双子は不吉だったし、あの子達も嫌われてると思ってた。
「ラルカ!おはよ!」
「ちょっとリアン煩いよ、ラルカが吃驚するじゃんか」
彼達はセルリアンとティール。
人間で言うと私より1つ2つくらい年下の双子。
兄のティールは賢くて氷魔法が得意で、弟のセルリアンはどちらかと言うとはっちゃけてる方、当時はまだ得意魔法が分からなかったんだってさ。
「おはよう、ティール、セルリアン。朝から元気だね」
当時何故普通は忌み子と言われる2人が、民に人気で疎まれないかなんて知らなかった。ただ、この子達の日頃の行いがいいんだな、って思ってたの。
「ねぇラルカ!妹!妹出来たんでしょ!」
「姿が見えないけど、今何歳?」
「まだ4歳、ダメよ、貴方達に会わせるなんて。教育に悪いんだもの」
くすくすと冗談交じりでそう言ったが、私だってあの子にまだ会えていない。
(何処にいるの?コーシュ…)
少しむすっとした顔で拗ねたセルリアンだったけど、コロッと表情が変わっていつものように私に人形を見せてとねだってきた。
「ね!いいでしょ!ラルカ!だってラルカの人形はエクラタンの中でも1番凄いって!お母さんが!」
「そんなすごい物じゃないけどなぁ…」
すこし照れくさくて頬を掻きながら、魔法で人形を数体自身の元へと浮遊させた。
その瞬間、何処からか鋭い視線を感じたような気がした












編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!