前の話
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「うっ、わぁ!やばい!今日も可愛いよ!!」
朝早くの教室に響く声とシャッター音
その声とシャッター音は一人の少女が登校する男子を見て発するものである。
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うへへ、今日も可愛かったなぁ……。なんて先程撮った写真を見て思ってると
「須藤って陸堂 新那 が好きなのか…?」
と人に聞こえないほどの声量で上記が聞かれた。
誰かと思って質問をしてきた方向をむくと
「……誰?」
と質問に質問を返してしまった。
けど、全く知らない人が机と椅子持ってきてたんだよ??こわーい。何この人。あっち行けよ
「え、俺?上前 蒼 (ウエゼン アオ)っていいます。って、同じクラスになるのこれで3回目だろ!?」
「え、嘘。まじで??なんかごめんなさい」
下後 くんとはこれで3回目なのか。全然知らなかったわ。
「いいよ、許す。」
と下後くんは言ったあとにふにゃ っと笑った。
こいつは女子に人気のありそうなやつだ…と察した。よし、関わらないでおこう。
「ありがとう、じゃあ私忙しいから話しかけないでね下後くん。」
「は?下後じゃなくて上前だから!!それに、質問に答えろよ!」
「……質問なんて私されましたっけ?」
うん、全く身に覚えがないな。
質問に質問返ししたことなんて覚えてるわけないじゃん。
「須藤さんは、陸堂新那 の事が好きなんですか?」
「え、好きだけどなんでそんなこと聞くん」
きょとんとした顔で答えると
「え、だって人の恋愛話って面白いじゃん。そのスマホの中身とかさ…ねぇ?」
こいつ、あれだやばいやつだ。
言葉で表せれないぐらい嫌な笑みを浮かべてるぞ。
もう、無視だ。これは、無視がいいパティーンの人だ。
「須藤は陸堂のどこが好きなんですか〜?」
「ねぇ、聞いてる?」
「須藤さーん」
「いい加減に反応しないとスマホの中身陸堂にバラすよ?」
ちっ、なんだよこいつは。
「てか、なんで下後さんはそこに居座ってるんですか。帰れくださいよぉ、」
「…んー。席替えしたから?ってか舌打ちだめ!それに、下後じゃなくて上前!」
席替えかよ……前隣だっ角田くん戻ってこい~。あ、丸沼くんか??
まぁ、どっちでもいいから戻ってきてーーー!!!!!!
そんなこんなで平穏な日々がこれから来そうにないです。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!