今回から暴力祭りです!!
苦手な方はバッグお願いします!!
ガチャン
2人が気付かぬ間に、目の前に小さな人魚のようなものが現れた。
丁寧にお辞儀し、丁寧に笑った。
その質問は通らなかった。
ズシャッと音が鳴り響き、大星の前にいた大地の頭から血が流れでた。
大星は、何が起きたかなんてすぐに理解した。
そのまま感情にまかせ、人魚の胸ぐらを掴んでいた。
感情のままでも、大地を不安にさせないようにと、顔は無表情を保ち続けた。
しかし、惜しくも逃げられた。
その上に殴られた。
お互いに、お互いのことを知った瞬間だ。
どれだけ強いか、どれだけ反応早いか。
2人とも、全て、把握しようとした。
sk-2は、簡単に空中を飛び、簡単に空中を舞った。
ひらりひらりと華麗に舞い、その姿をよく大星に見させた。
大星の昔の記憶が蘇ったその時だった。
立ち上がった、さっきまで気絶していた男が。
初めて、大地が大星にそう言った。
頭からまだ血が流れていると言うのに、大地はフラフラになりながらもたった。
「落ち着いて」いつも聞いて落ち着くセリフも、今の大地には効かない。
それを察した大星も、黙り込んでしまった。
大星は思った。
「ああ、こいつは本気で怒ってるんだ」と。
聞いたことある名前を聞いた大地は、混乱を隠せず固まった。
何故…知っている?…そう固まった。
何度、そのセリフを聞いたものかと、大地は思わず肩をふるわせた。
言っていることが、過去の自分で。
言っていることが、過去の他人で。
大地の精神が、この数十秒で石化したかのように止まった。
壊れた、ぼろぼろと崩れた気がした。
それを見た大星もまた、黙ったままじゃなかった。
瞬間、大地は綺麗な回し蹴りを見た。
美しく飛び、美しく回転し、美しくsk-2を蹴った。
大地は、見覚えのある蹴りに目を輝かせた。
その四文字に、大地の目はまた輝いた。
身体中の痛みが座っていても伝わってくる。
大星の見事な体使いを見ると、思わず鳥肌が痛みと共に身体中を駆け巡る。
編集部コメント
依頼人の悩みや不安に向き合うカウンセラーという立場の主人公が見せる慈愛にも似た優しい共感と、その裏にひそむほの暗い闇。いわゆる正義ではないものの、譲れない己の信念のために動く彼の姿は一本筋が通っていて、抗いがたい魅力がありました!